ブックタイトルすべての戦争は自衛意識から始まる
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すべての戦争は自衛意識から始まる
16九カ月が過ぎた二〇一三年一〇月、やっと森達也は南京に行くことができた。だからここからは『虚実亭日乗』の特別版。今風にいえばスピンオフ。緑川南京を主軸に話を進める(何が「だから」なのかよくわからないけれど)。負の記憶を展示する施設の名称は難しい南京駅のホームに南京は降り立った。ここに来た目的の一つは、南京虐殺博物館を訪ねることだ。……と書きだしたけれど、日本語におけるこの施設の正式名称は、「南京虐殺博物館」ではなく「南京大虐殺紀念館」だ。ちなみに中国での正式名称は 「侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館」。「虐殺」ではなく「屠殺」。そのニュアンスを正確に理解はしていないけれど、「家畜のように殺された」との意味が込められているのだろうか。「紀念」の意味は「記念」と大差ない(中国には毛主席紀念堂などもある)。ならば日本語における正式名称は、南京大虐殺記念館でもよいのではと思うのだけど、「虐殺」と「記念」のコラボは何となく落ち着かない。もちろん「博物館」にしても、「記念館」と近い違和感がある。要するにどちらも「不謹慎なのでは」と落ち着かなくなる。負の記憶を展示する施設の名称は難しい。世界中の多くの施設を調べたわけではないか