ブックタイトルすべての戦争は自衛意識から始まる

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概要

すべての戦争は自衛意識から始まる

20確かに被害者総数は、虐殺の規模を考えるうえで最も重要な数字だ。でも多くの場合、被害側は多めに見積もるし、加害側は少なめに申告しようとする。それは世の理ことわりだ。その差異を論じることに本質はない。大切なことは原因や理由とメカニズムだ。なぜなら歴史を学ぶことの理由は、同じ過ちを起こさないようにするためなのだから。だから三〇万人だろうが一五万人だろうが(極端に言えば)どっちでもいい。何らかの人災で死んだ人の数が五〇〇〇人であっても五万人であっても、犠牲者の数の多い少ないで事後の対策の質が変わることなどあってはならない。最優先すべきは二度とそんな事態が起きないようにすること。そのためにできるかぎりをするべきだ。再発を防ぐために何をすべきかを考え、できることはすべてやるべきだ。日本軍将校が行った中国人の百人斬り競争館内を順路通りに進む。日本軍によって行われた虐殺だけに特化した展示ではない。日本と中国の近代史や戦争についての経緯も、かなり丁寧に説明されている。一つの展示の前で南京は足を止めた。目の前には拡大された新聞紙面が掲示されている。一九三七年一二月一三日の東京日日(現在の毎日)新聞。「百人斬り超記録 向井106 │ 105野田 両少尉さらに延長戦」の見出しと共に、軍服姿でポーズをとる二人