ブックタイトルハゲタカ外伝 スパイラル

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概要

ハゲタカ外伝 スパイラル

25 第一章 発起の時「藤村さん、逝いくには早すぎるよ」窓際に立つ芝野は思わず呟つぶやいていた。色とりどりのイルミネーションで彩られた夜の東京に、満月が昇ろうとしていた。││欠けた月は、必ずまた満ちる。わしらの仕事も同じや。大切なんは、自分を信じて辛抱できるかどうかやな。町工場の喧けんそう噪の中で、藤村とともに缶ビール片手に見上げた満月を思い出した。それと同時に、芝野の中である決意が固まった。2二〇〇七年一〇月一五日 東京都成城「曙電機から身を引こうと考えています」「そうですか」曙電機の会長である堀ほりよしひこ嘉彦宅を訪れて思い切って切り出したのに、あまりの素っ気ない反応に芝野は拍子抜けした。「驚かれませんね」「あなたは正直な人ですからね。胸の内が顔に出ます。先月末でしたかな。役員会でお会いした時から薄々察していましたよ」