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概要

人材育成ハンドブック

4現場でのFAQQ1│従業員の学びに、アンドラゴジーの知識をどう活用すればよいでしょうか?A1│業務に必須の資格や知識のある業種・職種の場合、それを確実に従業員に身につけさせることは会社にとって重要な課題です。そのため、必須の資格や知識を獲得するための学びは、どうしても会社からの一方的なものになりがちです。もちろん従業員も必須の資格や知識が自分のキャリアや報酬に影響を与えることがわかっているため、学びへの姿勢はある程度は積極的となります。ただし、学びへの意識が弱い従業員、あるいはいままでに多くの資格や知識を得てきたために慣れや飽きが生じている従業員もいます。このような状態の従業員には、アンドラゴジーの要素を踏まえた以下のポイントを取り入れた教育プログラムを実施するとよいでしょう。①学びの必要性の提示②学びに対する従業員のニーズの把握③学ぶ内容と仕事の親和性④受け身ではなく主体的な学び⑤適切な学びのタイミング 本人の経験や仕事上の関心事、さらには、いま直面している課題の解決策といったことに関連させて資格・知識を取得する必要性やメリットを伝えることによって、学びの姿勢は積極的なものになります。経験の浅い新入社員に教育を行なわなければいけない場合や、コンプライアンス研修など、本人の意向にかかわらず企業としての受講を必須としている研修の場合は、受講の必要性を事前に丁寧に提示しましょう。参考文献・『 成人教育の現代的実践ーペダゴジーからアンドゴラジーへ』(マルカム・ノールズ著 堀薫夫/三輪建二監訳 鳳書房 2002年)・『 成人期の学習ー理論と実践』(シャラン・メリアム/ローズマリー・カファレラ著 立田慶裕/三輪建二監訳 鳳書房 2005年)・『 生涯学習の創造-アンドラゴジーの視点から』(西岡正子著 ナカニシヤ出版 2000年)・ 渡邊洋子(2007) 「成人教育学の基本原理と提起―職業人教育への示唆―」(『医学教育』Vol.38 pp.151-160) https://www.jstage.jst.go.jp/article/mededjapan1970/38/3/38_151.pdf