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概要

創価学会と共産党

36「人を励まし育てるよりも数として見るようになり、組織が官僚化、硬直化している」。そう感じた小平は当時の組織部長に「おかしい」と意見したが、「結果を出してから言え」と相手にされなかった。 ある日呼び出され、学生部からの「卒業」を通告された。後任の滝川や野口も小平と同じ考えを抱き、次々に排除される。野口は「折伏は営業ではなく、信仰を磨くプロセス。成果主義が強まると、信仰の喜びが苦しみに変わる」と訴える。 川崎学生部の〝正常化〟の命を受けて現地入りした本部職員は「川崎の暗黒時代をつくった」と、関係する会員の実名を挙げて公然と批判。小平らは「名誉毀損だ」と抗議し、本部指導監査委員会にかけられることに。その場で求められたのが、「組織内組織(派閥)と認められる行動は取らない」ことを約束する内容の誓約書の提出だった。 野口は当時の心境を振り返る。「誓約すれば、関係会員に無実の罪を着せ、学生部首脳の不正を隠すことになる。こんなやり方は容認できない」 悩んだ末に提出を拒んだ。「世間では『清濁併せのむ』ことが度量のようにいわれるが、信仰の世界で〝濁〟はのんではならない」。池田の言葉が決断の支えとなった。 3人は、監査委員会の結論を了承した会長の原田稔らに対話を求めたが、受け入れられな