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ブルーエコノミーに変えよう

100個のイノベーションで、10年間に、1億人の雇用をつくる

  • 紙版

ブルーエコノミーに変えよう

100個のイノベーションで、10年間に、1億人の雇用をつくる

書籍情報

  • 紙版
  • グンター・パウリ:著 黒川清:訳
  • 定価:2200円(本体2000円+税10%)
  • 発行年月:2012年06月
  • 判型/造本:46変並型
  • 頁数:332
  • ISBN:978-4-478-01362-5

内容紹介

自然の生態系から着想されたブルーエコノミーは、「成長の限界」を克服し、「ゼロ・エミッション」を実現する経済モデルである。本著では、自然の見事な適応力(自然のMBA)によって、100個のイノベーションで、10年間に、1億人の雇用がつくれることが、豊富なビジネス事例とともにリアリティをもって示されている

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

刊行に寄せて

はじめに

ブルーエコノミーって何?

プロローグ レッドでもグリーンでもなく、なぜブルーエコノミーなのか

生態系をヒントに、無駄の多い経済モデルを変革する
自然から着想を得た100のイノベーション
世界の流動性を「バンコノミー」が吸い上げている
グリーンエコノミーにかわる新しい経済モデル
炭素排出量規制が進まない京都議定書の重大な欠点
単一目標達成スキームでは財政も社会保障も破綻する
現代社会では自然の摂理をあきれるほど活用していない
生態系がもたらす創造力を理解したアフリカの少女
ブルーエコノミーを実現する「100のイノベーション」
ブルーエコノミーを実現する「カスケード・モデル」

Chapter1 MBA流の経営原則からは、何の解決策も生まれない

〜貧困と廃棄物をつくり続けるコア・コンピタンス戦略の反省〜

ワーキングプアが14億人に達する現代経済の「茶番」
イノベーションに賛同しても実際は動かない経営者たち
イノベーションに競争力を与えられる新しい事業家たち
ビジネススクールが教える既成概念を乗り越える
乗り越えるべき経営原則1 コア・コンピタンス
乗り越えるべき経営原則2 サプライチェーンの管理
乗り越えるべき経営原則3 アウトソーシング
乗り越えるべき経営原則4 キャッシュフローの最大化
乗り越えるべき経営原則5 クラウディングアウト
グリーンウォッシングを犯すリスクに注意をはらう

Chapter2 自然生態系は、貧困も廃棄物もつくらない

〜身近な物理学を利用する自然のMBA(見事な適応力)〜

ビジネススクールのMBAではない、自然のMBA
生態系は、効率性と多様性に向かって進化していく
自然ではあらゆるものが物理学を利用する
自然のソリューションは持続性が実証されている
変革のチェンジ・エージェントとしての保険会社
廃棄物の焼却は、エネルギーの創出ではない
廃棄物を有益なものにかえることから始まる経済
身近にあるものを使って対処するのが基本原則
重力によって水の流れがつくりだす渦の多様な力
生命を操作するのではなく、物理学を使う生命に学ぶ

Chapter3 「流れ」を使って、健康で安全な居住空間に暮らす

〜生きるための物理学を知らない建築家たち〜

生命を育むのはアルカリ性なのに、現代人の環境は酸性だ
建築家は、空間における流れの重要性を理解していない
子供たちは、免疫機能による防衛を強いられている
空気の流れと省エネを、両立させている生き物たち
シロアリの技術に遠く及ばない現代建築の空調
高気密・高断熱に閉じ込めるのではない冷暖房
シマウマの縞模様から学ぶ気圧と温度の相互作用
プリズムを使用して地下まで自然光の全波長を取り込む
なぜ飲料水を排泄物と混ぜて使えなくしてしまうのか
空気と水の流れで、世界的な水不足を解決できる
一滴の水の振動からわかる、人体に与える音の影響
建物にかかる重力や外壁面に生じる風を利用して発電する
竹の成長習性と優れた材料特性が世界の建築をかえる

Chapter4 「パルプからタンパク質」モデルが世界の経済をかえる

〜キノコ栽培と養蚕がもたらす複数のキャッシュフロー〜

世界の食料安全保障に寄与するキノコ栽培
コーヒー廃棄物をキノコの菌床にする
「パルプからタンパク質」モデルがもたらす雇用
桑の木とカイコを活用した統合農業システム
生体適合性と強度重量比に優れた絹ポリマー
絹のカミソリが持続不可能な金属消費を止める
化粧品市場も革新する絹のナノテクノロジー
絹へのニーズが高くなれば、土壌の肥沃土も高まる

Chapter5 生物多様性がもたらす恩恵は尽きることがない

〜イノベーションを組み合わせてつくるビジネスモデル〜

クジラの心臓から着想した新たなペースメーカー
薄膜パッチによる電池のいらない心臓モニタリング
開発途上国へのワクチン輸送をかえる冷蔵不要技術
抗生物質や殺菌剤にかわるフラノンのバクテリア制御
抗生物質が不要になるウジ虫による驚異的な傷治療法
蚊が刺すほどにも痛くない、極細で円錐形の無痛注射針
オゾン層の破壊を止めるかもしれない昆虫のスプレー噴射
生物多様性からイノベーションの組み合わせ方を学ぶ
トンボの眼の集光能力をヒントにした太陽熱発電
紫外線からの悪影響を防ぐ動植物の多様な方法
現代産業を彩る着色色素が生態系を汚染している
化学的な色素を使わずにハチドリや甲虫の光学を使う
自然が廃棄物を使い切るように、トマトの廃棄物も使い切る
トマト加工をカスケード利用することで複数の価値を生む

Chapter6 地域固有のブルーエコノミーモデルを創造する

〜持続可能なコミュニティを実現した南米のサバンナ〜

ラスガビオタスが実証した複合的な問題解決方法
自給自足のコミュニティを育てて雇用を創出する
モノカルチャーにならないカリブ松の植林
森の再生によって土地の価値は何千倍にも高まる
世界各地に広がるラスガビオタスの方法論
バイオシティを構築する複合的で体系的な計画
ニンジンで持続可能性を実現したゴットランド島
ニューメキシコの森林火災リスク軽減プログラム
北九州のような都市でも有効なカスケード・モデル

Chapter7 地球から資源を一切奪わずにエネルギーを得る

〜自然の原則にかなった多様な発電と、鉱業による環境修復〜

現代人の発電システムは自然原則を適用していない
生物はエネルギー効率を上げるために進化した
自然とかけ離れて何でも燃やそうとする人間
体温を使って動く、電池も送電網もいらない電子回路
圧力を利用するピエゾ電気の燃料噴射システム
さまざまなピエゾ電源を使った多層的なアプローチ
CO2を産業社会のエネルギー源として使うアイデア
藻類、CO2、水、太陽光による完全なバイオ精製所
ヨハネスブルグ郊外で進められる鉱業地帯の修復
鉱山から発生するメタンを捕捉して発電に使う
天然水を汚染処理に使わずにすむイノベーション
発電源になる排気流、高温、高圧などの副産物
鉱山事業を基盤にしたブルーエコノミーの設計

Chapter8 日本を脱原発で経済再生させる

〜ブルーエコノミーによる地方分散型エネルギーシステム〜

脱原発を決定したドイツの総合的な分析判断
市場競争力のある太陽光発電システムの開発
福島第一原発周囲20キロ圏を太陽光発電に活用する
省資源も景観保存も解決する風力タービンの設置場所
携帯通信基地局の塔に風力タービンを設置する
下水処理施設を収入源にかえるバイオガス生産
日本政府の見識にかかっている東北地方の再生
地方分散型のエネルギーシステムをつくるチャンス
再生可能エネルギーの成否を決める送電網システム
ゲームのルールをかえなければならない!
直流給電を可能にして、交流送電網の時代を終焉させる
直流ベースの局地的なスマートグリッドが生活をかえる
日本の復興と脱原発を実現させるリーダーシップ

エピローグ 夢の実現

パルプからタンパク質
若い起業家を育てる
豊かなバイオマス
チドのブレンド
世界の誰もが貢献できる


あとがき

原発なしですませる方法

グンター・パウリとブルーエコノミーの誕生ZERI物語シリーズのご案内





著者

グンター・パウリ(Gunter Pauli)
The Global ZERI(Zero Emissions Research Initiatives)Network創立者・代表者。
1956年ベルギー生まれ。聖イグナチオ大学経済学部卒業。91年、廃棄物をつくらないゼロ・エミッションの考え方を導入した石鹸工場をベルギーに建設。その活動が世界の注目を集め、94年には国連大学学長顧問としてゼロ・エミッションを主導し、構想の実現に尽力。96年、国連開発計画(UNDP)とスイス政府の出資でThe Global ZERINetworkの前身であるZERI財団をジュネーブに設立。目的は「循環型社会」の実現。94〜97年、国連大学(東京)学長顧問。世界経済フォーラムにおいて「21世紀のリーダー」の1人に選出される。2010年、「ブルーエコノミー」を発表し、世界各国の政府、研究機関、市民グループなどと連携し、イノベーション事例をデータベース化しながら、ビジネス創造の実践活動を展開している。ブータンでは政府顧問をつとめ、「ブルーエコノミー」をGNH(国民総幸福量)の具体的な経済政策として導入。さらに、世界の子供たちのために、環境と経済のあり方を考えさせる教育にも注力している。


監訳者

黒川 清(くろかわ・きよし)
政策研究大学院大学アカデミックフェロー・教授。
1962年、東京大学医学部卒業。63〜67年、東京大学医学部第一内科を経て渡米。73年、UCLA医学部内科助教授。79年、同教授。89年より東京大学医学部第一内科教授。97年、東京大学名誉教授。2004年、東京大学先端科学技術研究センター教授(客員)。また、05年より特定非営利活動法人日本医療政策機構代表理事。06年、内閣特別顧問 (〜08年)などもつとめ、09年、政策研究大学院大学アカデミックフェロー。さらに11年12月より国会福島原子力発電所事故調査委員会委員長をつとめる。『地球環境 危機からの脱出』(ウェッジ選書)、『世界級キャリアのつくり方』(東洋経済新報社)など著書・共著多数。幅広い見識と卓越したリーダーシップを持つ世界的な医学者である。

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