ブックタイトルダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

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ダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

DIAMOND Quarterly 26 先ほど、これからはマスカスタマイゼーションの時代になるとおっしゃっていましたが、マスカスタマイゼーションを目指す時に、グローバル展開するサービス業の常として挙げられるのが?標準化の難しさ?です。半面、現地化では?品質のバラツキ?が出やすい。この問題についてはどうお考えですか。 重要なご質問です。セコムが日本で培った蓄積やノウハウをベースに海外でも質の高いサービスを提供していきますが、日本式をそのまま移植するのではなく、現地の風土や制度に合わせてカスタマイズしています。 たとえば、イギリスのセコムPLC。現地シェアは第3位ですが、品質の高さが評価され、4大商業銀行の2つはセコムPLCが担当するといったように、存在感のある会社になっています。ここでは、機械警備に必要な機器は現地でつくり、セコム方式のフローに載せてシステム化しています。本方式で共通化できる部分は共通化し、現地の特性も反映させているわけです。 世界では一般的に、警備機器は売り切りモデルで、警備機器の設置、監視、対処を別々の会社が行ったりします。しかしセコムは、機器はすべてレンタル。しかも警備機器の設置から対処までセコムが一貫して行うトータルなセキュリティサービスですから、切れ目のない安全・安心のフローを提供する意義と仕組みを現地スタッフに教え、常に品質をレベルアップしなければなりません。それに大変なコストと労力をかけてやっています。 また、セコムの理念や品質の高さ、おもてなしの心を伝えるために、海外現地法人の幹部を日本に招いた研修を頻繁に実施しています。理念から行動規範に至るまで、現地の言葉に翻訳し伝え、それらが現地に受け入れられて根付くようにしなければならない。そこで、ローカルに適応するように一部カスタマイズもしています。 安全・安心をソーシャルサービスとしてとらえた会社は、世界でもほとんど例を見ませんね。 そうです。トータルな安全・安心をお届けするビジネスモデルは、世界を見渡しても我々セコムだけです。 長嶋茂雄さんの?セコムしてますか?のCMで知られる通り、?セコム=セキュリティサービス?として日本ではすっかり認知されています。この?セコム?という言葉をグローバルに定着させることも目標になると思いますが。 いやぁ、おっしゃる通りです?笑?。ちなみにイギリスでは、セコムPLCがいろんな賞を受賞して評価も高いからか、「セコマイズ」という言葉も生まれています。先ほど、「ANSHIN」を世界にという話をしましたが、「セコム」も世界に広げたいですね。歴史に残るビッグイベントをオールジャパンでやり切る 直近のビッグイベントは、2年後の?東京オリンピック・パラリンピック?です。必要な警備員は1万4000人と空前の規模で、数多くの警備会社が参画する共同企業体?JV?方式で臨むことになりました。このオールジャパンのリーダーとして、どのような心構えをお持ちですか。 1964年の東京オリンピックでは、セコムは選手村の警備を担当したことで世の中に認知され、大きな飛躍のきっかけをいただきました。そして今回の大会では、セコムだけではなく、警備業界全体がさらなる飛躍のきっかけをつかめたらと思っています。 もちろんセコムはJVの中心的な役割を果たしますが、それ以上に大切なのは警備業界全体がオールジャパンのワンチームでやっていくということ。というのも、今回再び東京に大会が誘致できた理由の一つは、世界一安全・安心な街だからです。ですから、その警備という形で我々に托された責任は非常に大きい。全身全霊で取り組んで、安全・安心を守り切らないといけません。