ブックタイトル週刊ダイヤモンド15年8月22日号

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週刊ダイヤモンド15年8月22日号

31 週刊ダイヤモンド 2015/08/22特集 息子・娘を入れたい学校2015手にしている。その最たる例が米グーグルだったりするわけです。 なのに、いまだに途上国型の教育手法で、情報処理力が高いだけのサラリーマンを大増産している。 多くの大学教授や企業の人事部長から聞く話ですが、中学受験を経て東大をはじめとする難関大学に進んだり、もしくは名のある企業に就職しても、そこで、成長が終わってしまう人材が増えているといいます。いわゆる〝伸びしろ?がない。完全に指示待ちで、「これをやれ」と言われないとできない。自分から仕掛けるとか、世界観をつくり出すといった力がないというのです。典型的なジグソーパズル型ですね。 これは、学校の授業を変えないと変わりません。 一つは中央教育審議会が次の学習指導要領の全面改定で導入しようとしているアクティブラーニング。つまり、グループディスカッションやディベート、グループワークなどの能動的学習で、思考力、判断力、表現力を養うというもの。これは僕が15 年間実践してきた「よのなか科」が見本です。 ただ、一方で教員養成大学では、コミュニケーション型、ワークショップ型の学習法を教えずに、いまだに知識を詰め込む旧来の教え方を粛々とやっている。今の教授連中が新しい教え方ができないからなのですが、ここが入れ替わるのを待つと15年はかかるでしょう。 しかし、そこまでは待っていられないから、いかに現場で効率を上げるかを考えるべきです。 教育は「知徳体」といいますが、徳育・体育は生身の先生が教える方がいい。でも知識を詰め込むこと、つまり20世紀型の教育はもっと効率的にやればいいんです。これまで1日6時間かかったのを1時間で終わらせ、子供の頭を21世紀型に向ける。空いた時間でロールプレーイングやディベート、コミュニケーション型の授業を、外部の力も借りながらしっかりやる。 そのためには、知識を詰め込む生産性を圧倒的に上げる必要があるわけですが、ここで有効なのがビデオだと考えています。 いまや高校受験では、受験生の半分が「受験サプリ」(リクルートが運営する動画講義サービス)で学んでいるし、「MOOC」(大規模オープンオンライン講座)によって世界中の大学の最高の講義が無料で受けられる時代です。ちなみに僕の「よのなか科」の授業も、ノウハウ全てが50タイトルになって受験サプリに入っています。 小学1年生は全てじかに先生が教えるべきですが、高校生なら授業の半分、さらに大学の講義は9割方がビデオでいい。だって政治倫理なら、日本のどんな先生より米ハーバード大学のマイケル・サンデル教授に学びたいでしょう?知識詰め込み型授業は効率化できる20世紀成長社会「みんな一緒」21世紀成熟社会「それぞれ一人一人」情報処理力情報編集力正解納得解正解主義修正主義ジグソーパズル型学力レゴ型学力●読み書きそろばんの基礎学力●頭の回転の良さ●大量生産●パターン認識(短絡的思考)●営業マンが勧めたから保険に入る●消費者として生きる●知識を実社会で応用するためのリテラシー●頭の柔らかさ●多品種少量→個別生産●違う見方もあるかもしれない(複眼思考)●自分のリスクを比較研究してデザインする●編集者として生きる(人生は一冊の本)成長社会から成熟社会へ*藤原和博氏の話を基に本誌編集部作成