ブックタイトル週刊ダイヤモンド15年9月5日号

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概要

週刊ダイヤモンド15年9月5日号

特集極め付きは、治安維持を目的としている公安部隊までこの問題に投入したことだ。 なりふり構わぬ力業で市場をコントロールしようとしたが、その先に待っていたのが、冒頭のさらなる株価暴落だった。 12年11月に誕生した習指導部は、長老らの権力闘争の末に生まれた妥協の産物にすぎないとの下馬評を、ひっくり返してきた。反腐敗キャンペーンを掲げて政敵を表舞台から引きずり降ろし、庶民たちから大きな人気を博している。その求心力は、かの毛マオズードン沢東に勝るとも劣らないと評価する声まである。 そうした自信の表れなのか、外交でも米国と対等の関係を臆すことなく主張するようになり、人民元を軸にした中華経済圏をアジアに広げる野望を隠さない。 そんな中国の皇帝が恐れるものはたった一つ。自分の強大な権力をもってしてもコントロールができない存在だ。それは暴落が止まらない株価であり、それによって財産と、共産党体制への支持を失ってしまうかもしれない名もなき群衆の怒りに違いない。 習はこの難局をどう乗り切るのか。本誌は知られざる中国の権力中枢の人脈とネットワークから、その問いをひもといてゆく。実感させることだ。 とりわけ2000年代は、日本を抜かして世界第2位の経済大国に躍り出るという輝かしい成長を見せた。拡大の一途をたどる貧富の差や公害問題、そしてまん延する官民の癒着構造など社会問題が噴出する中にあって、全ては豊かさのためだという説明で、多くの矛盾を乗り切ってきた。  リーマンショック後の開発ラッシュによる不動産バブルが終わりを告げると、その閉塞感を打開するためか、今度は株式市場に投機熱を呼び込んだ。 今年4月には「人民日報」や新華社通信が「上海総合指数は4000?を超えてからが、牛市(強気相場)の本格化だ」と報じて、人々の投資を煽った。 そして株券こそが、われこそは豊かになりたいと願う人々が夢を託す先になっているのだ。 だからなのだろう。今年6月に市場全体が大きく下がると、政府には大きな動揺が走った。 一時は上場銘柄の半数近くを凍結させる「売買停止」を発動。大掛かりな株価支援策を発表し、米投資銀行のゴールドマン・サックスによれば、金融当局は既に約9000億元(約18兆円)を支援策に費やした可能性があるという。紅い人脈29 週刊ダイヤモンド 2015/09/0513億人を統べる 2,0002,5003,0003,5004,0004,5005,0005,5002015年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月(ポイント) 年初からの上海総合指数の推移必死の政府介入でも底が見えず