ブックタイトル週刊ダイヤモンド15年10月10日号

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概要

週刊ダイヤモンド15年10月10日号

特集 トヨタvsフォルクスワーゲンたという。 亀裂の発端は、VWがアニュアルレポートでスズキを持分法適用会社に位置付けたことにある。これに対し、「対等な関係」や「経営の自主独立性」を重視するスズキは「話が違う」と猛反発。その後、事態は国際仲裁裁判所での仲裁交渉に発展し、関係修復はもはや不可能となった。 そもそもスズキがVWと提携した目的は、環境技術の提供を受けることにあった。大手メーカーに比べて研究開発費も大きく見劣りするスズキが、今も技術的課題を抱えていることに変わりはない。 ほかならぬ修会長自身、そう認識しているのだろう。9月17日、スズキはVWが保有するスズキ株の買い戻しを終了した。総額約4600億円。元手は自己資金で、自社株を消却する予定は今のところない。新たな提携の際に株の持ち合いとなれば手元の自社株を渡すこともできる、いわば戦略的な〝余地?を残したといえる。 新たな相手とはどこか。むろん今度こそ慎重に選ぶだろうが、修会長がかつてVWとの提携時に明言したように、今も「1000万台クラブ」を求めるならビッグスリーしかあるまい。 このうちVWとの「〝再婚?はない」(修会長)。かつて提携関係にあった米ゼネラル・モーターズ(GM)とよりを戻す可能性はあるが、今のGMはもはや何もかも与えてくれる優しいGMではない。 となると、最後の選択肢は、日本の自動車業界の盟主・トヨタ自動車しかない。国土交通省幹部やスズキの主力銀行筋も、そんな見立てをしている。 実はスズキはGMやVWと提携する以前、危機に見舞われた際に2度もトヨタに支援を請い、救済された歴史を持つ(上図参照)。 1度目は1950年、「東の東芝、西の鈴木」といわれた日本最大級の労働争議が前年に勃発し、大赤字を計上したときだ。 初代・道雄社長は当時のトヨタ3代目社長、石田退三氏に2000万円の融資や役員派遣を請い、石田氏もこれを快諾。石田氏はスズキを訪問し、社員を前に「スズキの経営に口を出すつもりはないので、安心して仕事に励んでほしい」と述べたという。 2度目は76 年、東京で初の光化学スモッグ被害が発生したことを機に排ガス規制が強化されたときだ。スズキはクリアのめどが立たず、絶望的な状況に陥る。最後はトヨタからエンジンを供給してもらい、九死に一生を得た。1度目2度目豊田家と鈴木家の歴史的関係過去2度もトヨタが救済1950年資金繰りに窮し救済を懇願1976年排ガス規制をクリアできず救済懇願融資して救済エンジン供給で救済トヨタ自動車の歴代社長鈴木家とスズキの歴代社長豊田家遠州出身(現静岡県浜松市)自動織機メーカー創始遠州出身(現静岡県浜松市)自動織機メーカー創始豊田佐吉石田退三奧田 碩豊田平吉(1867~1930年) 鈴木道雄(1887~1982年)鈴木俊三鈴木 修(1930年~ 85歳)鈴木俊宏(デンソー出身。1959年~ 56歳)小野浩孝長女長女(1955~2007年)豊田喜一郎(1894~1952年)(1888~1979年)(1932年~82歳)豊田章一郎(1925年~ 90歳)豊田英二(1913~2013年)豊田章男(米投資銀行出身。1956年~ 59歳)元財界トップ経産省出身同世代友好関係トヨタ中興の祖トヨタ中興の祖軽自動車枠をめぐる攻防で因縁長女? ?? ??????1129 週刊ダイヤモンド 2015/10/10