ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年2月13日号

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週刊ダイヤモンド16年2月13日号

特集地政学◯超入門の位置と形状ということになる。 実際、世界のキープレーヤーたちの思惑も、地図を眺めながらだと理解しやすいところがある。 米国が長く「世界の警察官」を自任してこられたのは、国境を接して緊張関係にある国が少なく、欧州やアジアの大国からも離れているため、世界で起こる争いを安全地帯から監視できたためだ。 ロシアがあれほど広い国土を持ちながら、いつの時代も南に勢力を広げたがるのは、使い勝手の良い「凍らない港」を確保したいからに他ならない。 また、陸続きに国境を接する国が14もあり、常に陸側に意識を配らざるを得なかった中国は、日本を抜き米国に次ぐ経済大国になって自信を付けたことで、日本のある海側に野心を向け始めた。 さらに、国家の枠組みを超えて拡散・連携するISのような非国家組織も、領土拡大という土地に執着した目的を持つ以上、その行動原理を読み解くために地政学的アプローチは不可欠になる。 日本がグローバル市場のプレーヤーである以上、国際情勢の荒波から決して逃れることはできない。予測不能な世界の潮流を読み解こうとするとき、地政学は必ず何らかのヒントを与えてくれるはずだ。まれば、投資や消費がさらに冷え込む要因となってしまう。中東の不安定化は、言うまでもなく日本のエネルギー危機に直結する。 水面に投じられた小石の波紋のように、ある地域の局地的なテロや紛争が世界中に影響を広げていく。波紋の移ろいを予測するのは極めて難しい。 複雑怪奇な国際情勢の理解を助ける学術的な視点として今、地政学に注目が集まっている。国際政治や軍事、そして経済など国家間のパワーバランスを、各国の地理的条件を踏まえて捉える学問だ。 世界で初めて地政学という言葉を使ったスウェーデンの政治学者、ルドルフ・チェーレンは、国家を「有機体」と見なしたが、であれば国家の動向を知るために着目すべきは、その「肉体」である国土順位国名指数1 イラク10.0002 アフガニスタン9.2333 ナイジェリア9.2134 パキスタン9.0655 シリア8.1086 インド7.7477 イエメン7.6428 ソマリア7.6009 リビア7.29010 タイ7.27911 フィリピン7.27012 ウクライナ7.20013 エジプト6.81314 中央アフリカ6.72115 南スーダン6.71216 スーダン6.68617 コロンビア6.66218 ケニア6.66019 コンゴ6.48720 カメルーン6.46621 レバノン6.37622 中国6.29423 ロシア6.20724 イスラエル6.03425 バングラデシュ5.92126 マリ5.87127 トルコ5.73728 英国5.61329 ギリシャ4.97630 ウガンダ4.89431 バーレーン4.87132 ネパール4.79133 インドネシア4.75534 アルジェリア4.75035 米国4.61336 フランス4.55337 モザンビーク4.38638 南アフリカ共和国4.23139 イラン4.22240 パラグアイ4.094124 日本029 週刊ダイヤモンド 2016/02/13日本は最も安全な国グループだが……2015年世界テロ指数出所:経済平和研究所(IEP)テロ被害度(高)テロ被害度(低)1086420.010