ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年3月12日号

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概要

週刊ダイヤモンド16年3月12日号

特集FinTechの正体ェクトやリサーチを任された銀行員らの悩みも転がり込んでくる。ある地方銀行の行員は、まだ誰も唾を付けていないフィンテック企業を探すというミッションを課せられ、もん絶する日々を本誌に明かした(47㌻参照)。 それもそのはずだ。欧米ではリーマンショック後に、金融産業で働いていた人材たちがIT産業に流入することによって、新しいサービスやビジネスモデルを仕掛ける1000社以上のフィンテック企業を生み出している。 一方で日本にそのようなダイナミズムはなく、多くの調査機関によれば国内のフィンテック企業の数は100社ほどにとどまる。そこで手軽に掘り出し物を見つけてこい、というのはむちゃな話だ。 また、ある政府系金融機関でもフィンテックを管轄する専門組織を立ち上げようとしているが、まだ組織がないのに、予算だけが先行して承認されているという。「どう考えても、フィンテック関連の予算はバブルですね」(メガバンク関係者) 昨今のフィンテックブームに乗っかる者、踊る者、困る者││。その現場をレポートした上で、デジタル技術がどのように金融産業を変革するかを分析してゆく。 2月上旬に訪れたこの初老の男性は、アポイントなしでフィノラボの入り口に現れた。対応したオフィス関係者らは、まずはどのような会社なのかを聞こうと、男性に所属企業について質問したという。ところがいつまでたっても「金融関係のソフトウエア企業」としか説明しない。名刺を差し出してくることもなく、最後は「佐藤です」とだけ名乗って足早に立ち去っていったのだ。 別の日は、オフィス見学をしたいとNTTデータの社員を名乗る人物が訪ねてきた。確かに同社のロゴ入りの手提げバッグを持っていたのだが、やはり名刺交換を求めると退散していった。ブームに踊る金融機関の本音と建前 無論、訪ねてくるのは不審者だけではない。いまやフィンテックは、メガバンクの頭取自身が大号令をかけて推進しようという花形プロジェクトになっているのだ。当然その波は、全国の地方銀行にまで及んでいる。「あのーフィンテックって、何をやったらよいでしょうか」 フィノラボには、会社のプロジ35 週刊ダイヤモンド 2016/03/12Photo by Mitsufumi Ikeda2月25日、東京・丸の内で開催されたフィンテックピッチコンテスト「FIBC」。5回目を迎えた今年は300人を超える観衆の中、公募により選ばれた21社が登壇。国内フィンテック企業の登竜門だ