ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年4月9日号

ページ
5/6

このページは 週刊ダイヤモンド16年4月9日号 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

週刊ダイヤモンド16年4月9日号

特集踊る米大統領選よ」「メディアには詐欺、うそ、悪質なやつらが交じっている」など、いつものトランプ節は健在。だが、ルビオ氏については「彼がここまで戦ったことに、おめでとうと言いたいね」と、ねぎらう余裕さえ見せ、最後はお決まりのスローガン「M a k e A m e r i c a g r e a tagain!(偉大な米国を取り戻そう!)」を絶叫。CNN記者らの「ミスタートランプ!」との呼び掛けを無視して、悠然と会場を後にした。 一方、トランプ氏の安堵と程遠い苦境に追い込まれているのは、これまでワシントンの中枢で米国議会を支配してきた、共和党主流教徒を完全に米国から追い出す」など前代未聞の過激発言や、下品なジョークが有権者に大ウケ。ワシントンD.C.のエリート政治家の振る舞いに飽き飽きしていた大衆の心をわしづかみにし、獲得代議員数でトップを走る。今や「トランプ大統領」の誕生さえ現実味を帯びてきた。 そんなトランプ氏が3月15日、フロリダ州など大票田での共和党予備選で、同州選出のマルコ・ルビオ上院議員(44歳)を得票率で20%近い大差で破り、選挙戦からの撤退に追い込んだのだった。 この日も「僕らはIS(過激派組織「イスラム国」)をぶっ倒す派の面々だ。 次の大統領にと期待をかけてきたルビオ氏やジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(63歳)は、十分な支持を得られず次々に撤退。主流派とは全く相いれない暴言をまき散らし、世界から嘲笑の的となるトランプ氏は、何としても候補者から外したい……。 そこで左図のように、重鎮議員や共和党支持の有力財界人が続々とトランプ批判を展開。さらには、獲得代議員数2位のテッド・クルーズ上院議員(45歳)へ支持を集中させようとの動きもある。 ただ、クルーズ氏も「ティー・パーティー」(茶会派)と呼ばれる原理主義者の主張に沿う過激な発言故に、党内の人望は薄い。「対トランプ」対抗軸の形成に苦慮しているありさまで、先行きは見通せない。「いいですか? 米国はすでに偉大なんです」──。予備選を勝ち抜くのがトランプ氏だと見越して対抗心をあらわにしているのは、民主党の大統領候補選びでトップを走るヒラリー・クリントン氏(68歳)だ。ファーストレディーや上院議員、国務長官としてワシントン中枢に身を置いてきたクリントン氏は、経歴と知名度は抜群なのだが、いまひとつ流れに乗り切れない。対立候補の自称「民主社会主義者」バーニー・サンダース上院議員(74歳)が経済的な苦境にあえぐ若者の支持を背景に、異例の健闘を見せているからだ。 クリントン氏の指名獲得自体は、確実視されている。だが、エリート臭が消えないクリントン氏が、異形の〝昇り龍〟トランプ氏と11月の本選で、いざ戦わば──。 依然として世界の超大国である米国の次のリーダー選びは、混沌の度合いを増している。本誌記者の徹底した現地取材に基づき、トランプ氏の正体や躍進の背景を明らかにするとともに、選挙戦の行方がはらむリスクを検証する。3月1日4日14日15日16日3日〝トランプ降ろし?の大合唱政財界の大物と米主要経済メディアの論調4/9号 P31 イラストレーターCS5 オーバープリント済み 岩崎トランプ氏はまがい物で、詐欺師だ。同氏の公約はトランプ大学が出す学位と同じく何の価値もない中国・メキシコの製品に35%の関税をかければ米国は不況になる。競争力を付けようとするグローバル企業にペナルティーを科すことになるトランプ氏が大躍進したスーパーチューズデーミニスーパーチューズデー共和党ミット・ロムニー氏(元マサチューセッツ州知事)ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、社説)代議員の過半数を獲得するのを阻止するには、残る候補者全員による絶え間ないトランプ氏たたきが必要だヒューレット・パッカード・エンタープライズのメグ・ホイットマンCEOニューヨーク・タイムズ(社説)トランプ氏は集会での暴力を容認している。だが、同氏には、沸騰している国民の怒りの根本的な原因に対処するアイデアがないWSJ(社説)TPPに関するトランプ氏の知識の欠如を指摘しただけで、同氏は名誉毀損でWSJを訴えると脅した。「うそつきの泥棒記者」と非難したワシントン・ポスト(社説)トランプ氏の手法は暴力的で、歴史上の独裁者に似ている。共和党は手遅れにならないよう行動すべきだAP/アフロTony Alter31 週刊ダイヤモンド 2016/04/09AP/アフロ、Keiko Hiromi、Takahisa Suzuki