ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年4月16日号

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週刊ダイヤモンド16年4月16日号

040080012001600(万体)10 2000 90 80 70 60 50特集 神社の迷宮国の神社で頒布されている「神宮大麻(天照大御神のお札)」の初穂料である。 13年度の神宮大麻の頒布数は874万体。1体当たりの〝目安?は800円なので、1年で約70億円が歳入として計上される。そのうち、約半分が「宗教法人 神社本庁」という神社の〝総元締め?に手数料として抜かれ、残りの約35億円が伊勢神宮の懐に入る。 それにしても、毎年の初詣の際に惰性で納めたお札の初穂料が、回り回って伊勢神宮の遷宮に投じられているとは、どれほどの国民が認識しているのだろうか。 ある有名神社神職は、「神社本庁は、神宮大麻の頒布数を1000万体にするという無謀な目標を掲げている」と言う。実際には、15年度まで6年連続で減体しており、目標が無謀であることは明白だ。 それでも、神社本庁は傘下に抱える約8万社に対し厳しいノルマを課している。「地方の神社では氏子離れが後を絶たない。都市住民は神棚すら備えていないのだから、都市部の神社だってつらい。でも、ノルマ未達で余った神宮大麻を返すこともできず引き取る羽目になる」(同)。こうして、全国の神社が血のにじむ思いをして集めたカネが、遷宮を支えているのだ。 一方で、220億円の寄付はどのように集められているのか。 その内訳は、財界と神社界でそれぞれ100億円強ずつだという。遷宮を行うたびに、「式年遷宮奉賛会」という組織が立ち上げられ、そこから補助金が支払われる(上図参照)。13年の遷宮では、岡村正・元日本商工会議所会頭が号令を掛けて、日本経団連参加企業もそろって寄付に応じた。 神社界も財界も、そして国民も││。全てはお伊勢さんのために。この資金調達システムこそが、伊勢神宮が伊勢神宮であり続けるための根幹となっている。 今、神社界は大きな危機を迎えている。国民の神道への崇敬心が薄れつつある中、伊勢神宮を〝本宗?と仰ぎ、神社本庁が実権を握る統治体制にひずみが生じてきたのだ。日本の神社界が「迷宮」化しつつある。130人以上が名前を連ねる*途中で辞任したメンバーも含む財団法人 式年遷宮奉賛会の主な役員全国の神社と財界から徴収する集金システム式年遷宮費用の「使い道」と「内訳」●御内帑金皇室、旧皇族からの私的なお手元金+●神宮大麻  (天照大御神のお札)  の初穂料●神楽殿での 祈?料・神楽料 授与品(お守りなど)、 さい銭神社界からの寄付(募財)100億円強●神社本庁やその下部 組織経由で全国8万社へ 割り当て●一般の寄付金2013年度874万体×800円=約70億円うち半分は神社本庁へ1年当たり約35億円25 %は裏山から、75%は長野・木曽から購入建築修繕費など・・・・・・式年遷宮費用総額550億円自己資金330億円「20年に1度」なので1年当たり約16億円の積み立てが必要商工会議所日本経済団体連合会メンバー財界の重鎮神社界の重鎮会長 岡村 正元日本商工会議所会頭(東芝出身)野村明雄元大阪商工会議所会頭(大阪ガス出身)箕浦宗吉元名古屋商工会議所会頭(名古屋鉄道出身)和田龍幸元日本経団連事務総長川村 隆日立製作所相談役矢田部正巳元神社本庁総長田中恆清神社本庁総長千家尊祐出雲大社宮司渡 文明JXホールディングス相談役武田國男元武田薬品工業会長勝俣恒久元東京電力会長佐々木幹夫三菱商事相談役御手洗冨士夫キヤノン会長豊田章一郎トヨタ自動車名誉会長張 富士夫トヨタ自動車名誉会長商工会議所経由で経団連メンバーにも寄付を要請神社本庁や有名神社宮司最大の収益源神宝約1万本のヒノキ購入費714種類1576点内訳使い道財団法人式年遷宮奉賛会220億円財界からの寄付100億円強●商工会議所●日本経団連・・・・・・29 週刊ダイヤモンド 2016/04/16「神宮大麻」は6年連続減体!865万体2015年度の頒布数は式年遷宮が実施された年