ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年6月11日号

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週刊ダイヤモンド16年6月11日号

特集 世界を変えるiPS iPS細胞による再生医療研究が盛り上がりを見せる中で、製薬会社をはじめとする多くの企業も、乗り遅れまいと一気に勝負に出始めた。 例えば武田薬品工業は、CiRAと手を組んで参入し、共同プロジェクトを立ち上げた。また、タカラバイオと富士フイルムホールディングスはそれぞれ、ヒトiPS細胞を販売する海外のバイオベンチャーを買収。リプロセルも含めれば、ヒトiPS細胞を販売する大手3社は、全て日本企業の傘下となった。 現時点で、iPS細胞をはじめとする再生医療の市場規模は、世界の医薬品100兆円市場の1%にも満たない。 しかし、経済産業省の予測によれば、20年に1兆円、30年に12兆円、そして50年には38兆円にまで拡大するとみられている。 さらに言えば、製造機器や消耗品、物流といった周辺産業の市場規模も、50年には15兆円に達すると見込まれており、広義の再生医療市場は世界で53兆円にまで達する見込みだ。 山中教授がiPS細胞に関する論文を発表してから今年で10年。研究の最新情報、そして沸騰する巨大市場の行方を追った。後」などと具体的に記されている。 17年以降は、パーキンソン病や脊髄損傷、重症心不全といった病気を治すためのヒトでの臨床応用の研究計画が次々と申請される見込みで、本格的にiPS細胞を使った再生医療の幕が開く。 行政によるトップダウンで研究のゴールを決め、そこに向かって突き進むスタイルについて、研究者の中でも賛否はあるが、「実用化を優先するためには効果的」と評価する声が多い。 国は、資金面においても〝国策?として全面的にバックアップする。山中教授がノーベル生理学・医学賞を受賞するや、12年の補正予算で242億円、さらに13?22年度の10年間で合計1100億円を投入するという、かつてないほどの力の入れようだ。臨床応用ラッシュが始まる *文部科学省の「iPS細胞研究ロードマップ」を基に本誌編集部作成iPS細胞研究ロードマップ作る細胞 対象の例ヒトを対象にした臨床応用の開始時期その他内臓心臓・血液脊髄脳目神経幹細胞角膜神経細胞心筋血小板肝臓膵臓腎臓軟骨毛包網膜色素上皮角膜障害脊髄損傷心不全肝不全糖尿病腎不全脱毛症関節軟骨損傷輸血用製剤パーキンソン病加齢黄斑変性1 122334455667788992014年15 16 17 18 19 20 25 26c123RF第1号!The Asahi Shimbun/gettyimages2014年9月、世界初のiPS細胞を使った手術を終え記者会見する高橋政代リーダー(左)29 週刊ダイヤモンド 2016/06/11