ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年7月16日号

ページ
5/6

このページは 週刊ダイヤモンド16年7月16日号 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

週刊ダイヤモンド16年7月16日号

特集 混沌を読み解く 大経済史来事があるが、今、似たようなことが、世界で起こっているからだ。例えば、大きな人口移動や、情報技術の革新、国家の財政破綻、市場の飽和などが同時多発的に起こっている。 今回の英国の離脱騒動もその一つで、大転換期故のイベントといえる。その証拠に、実は離脱を選択した英国民が抱える問題は、世界全体に共通するものなのだ。 製造業の衰退、移民の増加、貧富の差の拡大、エリート層の堕落、扇動政治家の登場……。 振り返れば、大航海時代や、重商主義、資本主義、民主主義、共産主義など、さまざまな時代や思想を人類は経験し経済を拡大あるいは縮小させてきた。今の資本主義がいつまでも続くという保証はどこにもない。そればかりか、今回の英国のEU離脱が、水面下で起こっている構造の変化を加速するかもしれない。 次ページから述べるように、日本や海外の多くの賢人たちが、今が数百年ぶりの歴史の大転換期であるという意見を持つ。人類は紀元前からGDPどうかということはさまつな問題に見えるかもしれない。世界で共通する多くの問題が示す歴史の大変化 英国の離脱騒動を、リーマンショック並みかどうか、経済危機が連鎖するかという点に固執して見詰めていると、本質を見誤る。 実は、今、あなたは数百年に1度の歴史の大転換期に立っているのだ。識者の中には資本主義が終焉するという意見の人もいる。 歴史を振り返ると、その時々の超大国、あるいは世界全体のシステムを終焉に追い込んだような出(国内総生産)を拡大させてきたが(左図参照)、それは今後も続くのだろうか。それとも横ばいの安定期に入るのだろうか。 資本主義が終焉する可能性すらあるといっても、共産主義が再び息を吹き返すというわけでもないだろう。多くの識者は次にどのような時代が来るのかは、明確には提示していない。 むしろ、歴史的見地を持ち、予測し備えることで、あなた自身が新たな時代を形成していくといえる。そのためにも、本特集を読んで歴史の賢人となってほしい。保守党の次期党首選には立候補しないことを表明。続いて、独立党のファラージ党首も辞任を表明し、離脱派を落胆させた。 残念なのは、投票後に移民に対して口汚くののしったりするような、いわゆるヘイトクライムが増加していることだ。かつて、世界を制した英国のレベルはここまで落ちたのかと落胆している日本人も多いだろう。まさしく、今、英国は混迷の極みにあるといえる。 この混迷の先に何があるのか。結局のところ、多くの人は「08年のリーマンショックを上回るのかどうか」を心配しているはずだ。 しかし、数百年後から今を振り返れば、リーマンショック並みかEUの崩壊!?英国がEU離脱「資本主義の終焉」レベルの大きな変化が起こりつつある!?日本も無縁ではない!歴史的背景を知り大局的観点を持とうここで思考を止めてはいけない! 実は…成長は続くのか*『資本主義の終焉と歴史の危機』(水野和夫著・集英社新書)を基に本誌編集部作成人類史と1人当たりのGDP=紀元前8000年農業革命Ⅰ(定常期)原始社会=「陸の時代」(過渡期)文明社会(爆発期)近代社会(過渡期)現代社会(定常期)未来社会Ⅱ Ⅲ=1600年封建制社会から近代国家へ1 500 1000 1500 1900 1950 2000101001,00010,000 (1990年国際ドル/対数表示)1300年1970年1990年紀元前100万年紀元前8000?33 週刊ダイヤモンド 2016/07/16