ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年11月12日号

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概要

週刊ダイヤモンド16年11月12日号

特集 疲労の正体ものの本質が科学的にはほとんど分かっていなかった。というのも、研究が本格化したのはここ10年程度の話だからだ。 後のパートで触れる慢性疲労症候群という病気に関する研究の過程で、「疲労そのものをもっと研究すべきではないか」という機運が高まり本格化したのだ。 中でも日本は先進国。2005年に日本疲労学会が立ち上がり、それ以降、大阪市立大学や理化学研究所などが中心となって研究が進められ、徐々に実態が解明されている。 そこでこの特集では、疲労に関する研究の最先端を徹底取材、原因や発生のメカニズムといったれば、1・2兆円にも上るとみられており、大きな社会問題ともいえる。 にもかかわらず、「病気ではないから」といって根本的な対策も講じず、我慢し続けている人は少なくない。一方、前出の精神科の医師も「疲労だと病名が付かないから、病院に来てもらっても正直言って困る」と打ち明ける。いずれも「病気ではないという」認識がベースにある。研究先進国の日本2005年から学会立ち上げ解明 これまで、そもそも疲労という「疲労の正体」について分かりやすく解説する。 その上で、うそや迷信がまかり通っている疲労の回復法について「睡眠」と「栄養」の観点から、そして原因となっているストレスの正しい解消法についてお伝えすることにする。 その前に、まずは3000人アンケートの詳細を次ページ以降に掲載する。国が実態把握のために実施している「疲労度自己判断チェックリスト」を全員に受けてもらい、役職、職業別に疲労度をチェック、疲労の原因や回復法、そのための支出額などについても併せて聞き、多角的に分析したのでご覧いただきたい。には恐ろしい現実が待っている。 詳しくは後のパートで述べるが、疲労とは自律神経の疲れが原因。従って、疲労が蓄積して自律神経が損傷すれば、免疫系や内分泌系の機能がダメージを受け、代謝が悪くなって糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病にかかりやすくなる。 また、自律神経は血液の循環などもつかさどっているため、心筋梗塞など重い病気にもかかりやすくなり、ひいては海外でも「KAROSHI」とそのまま呼ばれている過労死のリスクも高まる。 こうした事態まで含め、疲労によって引き起こされる経済損失は、文部科学省疲労研究班の試算によ35 週刊ダイヤモンド 2016/11/128割以上が疲れを感じている出所:本誌「疲労度3000人アンケート」3割弱が6カ月以上*前問で「疲労を感じている」人に一つ回答してもらった出所:本誌「疲労度3000人アンケート」目と肩が多い疲労を感じる部位*前々問で「疲労を感じている」人に当てはまるものを全て回答してもらった出所:本誌「疲労度3000人アンケート」Q日常生活で疲労を感じていますか?Q疲労を感じている期間は?2日以上1週間未満29.6%6カ月以上26.7%1カ月以上6カ月未満10.1%1週間以上1カ月未満9.7%1日程度(一晩寝れば治る)24.0%疲労を感じている82.6%疲労を感じていない17.4%頭27.6%首47.4%目62.7%肩57.8%腰43.6%手・腕13.0%足・もも26.2%その他1.6%全身28.0%