ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年12月3日号

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週刊ダイヤモンド16年12月3日号

特集ゼネコン模再開発の集中によって、ようやく息を吹き返したばかり。 ましてや、大手のゼネコンが好業績を挙げても、建設業界全体がわが世の春を謳歌しているかといえば、そうではない。〝重層下請け構造?の下層にいけばいくほど、ピンハネされて手取り額が少なくなっていく構造の改革は、遅々として進まない。 加えて、長年放置されてきた一人親方や下請け業者の社会保険への未加入問題は、来年春からようやく厳格化されるが、元請けと下請けの保険料負担の押し付け合いはいまだ多く、解決の道筋が立っているとは言い難い。 最低限、こうした問題を解決しない限り、多くの若年層が建設業界に入るわけもない。となれば、他産業に比して格段に高い高齢化率を引き下げられず、数年のうちに、これまで以上の人手不足の大波が業界を襲うことになる。 確かに、長年にわたる建設投資の減少で、こうした課題に手を付けられなかった面は否めない。ならば、好業績の今こそ本気で取り組まねば、もう後がない。いわんやランドマークの受注に血道を上げ、足元を見られた揚げ句、またぞろ安値競争に走るようでは、ゼネコン業界に未来はない。が、冒頭の作戦の要旨だ。 まさに戸田は、〝当て馬?というわけだが、戸田は売上高こそ4000億円強と大手ゼネコンの3分の1以下にとどまるが、高層建築では多くの実績がある名門だ。 今年4月に完成した大手町フィナンシャルシティグランキューブを施工するなど、地所とは親密な関係として知られる。戸田の今井雅則社長も本誌の取材に対し、「常にファイティングポーズだ」と受注への意欲を隠さない。ランドマーク願望好業績の余裕で復活構造問題は未解決 今でこそ、こうした大規模再開発の工事によって大手ゼネコン各社は、軒並み過去最高益もしくは、それに準じる超好業績をたたき出している(上図参照)。 だが、ゼネコン業界が、バブル崩壊やゼネコン汚職、長年にわたる公共事業の削減、リーマンショック……などで艱難辛苦の日々を過ごしてきたのは、ほんの数年前のことだ。 そこに、11年の東日本大震災による復興需要や、「国土強靱化」をうたう現政権の政策誘導、20年の東京五輪に伴う東京都心での大規続々と最高益を更新!スーパーゼネコン5社の連結営業利益の推移*竹中工務店は12月期、他の4社は3月期決算。各社決算資料を基に本誌編集部作成震災復興需要五輪開催決定国土強靱化都心の再開発加速(億円)▲800▲600▲400▲20002004006008001,0001,2001,40016(予想)2008年度 09 10 11 12 13 14 15竹中工務店大林組清水建設大成建設鹿島29 週刊ダイヤモンド 2016/12/03図③森ビルの虎ノ門再開発計画、④三井不動産の八重洲二丁目北地区再開発計画、⑤東急不動産の渋谷駅桜丘口地区再開発計画と、東京都心の大規模プロジェクトは続く54