ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年1月21日号

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週刊ダイヤモンド17年1月21日号

特集 天才・奇才のつくり方者たちを応援したいと考えた。 孫に財団への参画を頼まれた山中は、二つ返事で引き受けた。16年12月、「孫正義育英財団」が設立された。評議員には将棋棋士の羽生善治も名を連ねる。 孫自身、ビジネス界の異才である。16歳のとき、九州の進学校である久留米大学附設高校を中退して渡米。米国でビジネスを学んで、一代で今のソフトバンクグループを築いた。日本を代表する異才たちが、次世代の異才を育てようというわけだ。 支援金給付への応募資格は25歳以下で、「国際大会や全国大会規模のコンテストの優秀成績者」「国際的に通用する資格や団体に所属する者」「学業で優秀な成績や成果を持つ者」「事業で業績を出している経営者」「論文選考で優れた思考を発揮する者」のいずれかを満たしていること。分野は問わない。選考を通過した者に支援金が給付される。第1回の募集は1月に始まり、5月をめどに支援対象者を決定する。資金提供と両輪で異才たちが集う交流の場をつくる「資金サポートとの両輪で、交流の場を提供する」(同財団業務執行理事の青野史寛)のも新財団の大きな特徴だ。 異才は、生きづらさにもつながる。同じレベルで語り合える相手が周囲にいなかったり、生来、コミュニケーションを取ることが苦手だったりする。 異能を持つ者同士でネットワークをつくれば、切磋琢磨したり共鳴し合ったりして新しい発想が生まれる可能性もある。また、すでに活躍している者との交流によって、ロールモデルが見つかるかもしれない。 海外には、飛び抜けた才能を持つ子供に対して、才能を伸ばすための特別教育を行う公の制度がある。日本の公教育にはそうした仕組みがない。「新しい教科書を1週間で全て覚えてしまう小学生が、1年かけて教科書を読み進めるスローペースの授業がつらくて、学校に通わなくなってしまうというケースも聞く」と同財団事務局長の源田泰之は言う。 同財団への応募資格は25歳以下。年齢に下限を設けていない。集団教育の中で「吹きこぼれ」になっている子供たちも財団が支援の対象とするならば、日本の教育界に一石を投じることにもなろう。神童 kyodonews/amanaimages、Yonhap/アフロ、REUTERS/アフロ29 週刊ダイヤモンド 2017/01/21代表理事副代表理事理事            評議員孫 正義(ソフトバンクグループ社長)山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長/教授)五神 真(東京大学総長)佐藤康博(みずほフィナンシャルグループ社長)國部 毅(三井住友銀行頭取)青野史寛(ソフトバンクグループ執行役員)羽生善治(日本将棋連盟棋士) 他5人孫正義育英財団の理事など