ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年2月4日号

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週刊ダイヤモンド17年2月4日号

特集 上げ下げマンション大調査示す70%を割り込んでいる。 しかも、1期当たりの販売戸数を極限にまで絞り込むことで、契約率を高く見せる〝かさ上げ〟を図った上でのことだ。 極め付きは、新規供給戸数の大幅減少だろう。不動産経済研究所によれば、2016年の新築供給戸数は3万5772戸。ピークだった2000年の9万5635戸の半分どころか、4割弱にまで沈み込んでいるのだ。 片や、中古の成約戸数はじわりと上昇を続け、16年には3万7189戸を記録(東日本不動産流通機構調べ)。上図にある通り、新築の供給戸数を中古の成約戸数が抜き去るという〝逆転現象〟が起こっている。 新築が売れない理由は明白だ。新築マンションの価格が高騰し過ぎたため、購買層の手が届かないレベルに達しているからだ。 そのため、新築の購入を諦め、中古に流れる人が増えているというわけだ。 なぜ、新築価格がここまで高騰しているのか。理由はシンプルで、マンションの建設コストが上がっているために販売価格が押し上げられているからに他ならない。 30㌻上図をご覧いただきたい。新築マンションのコストの内訳を図示したものだ。要素は大きく四つ。土地の取得費用と建築コスト、広告宣伝費、売り主である不動産デベロッパーの利益だ。これを積算したものが、新築マンションの販売価格となる。 ここで高騰しているのは、初めの二つだ。まず建築コストについては、建設従事者の人手不足によるものが大きい。 東日本大震災の復興事業や、都心部の大規模再開発がそこかしこで行われており、鉄筋工やとび、型枠工といった建築系の職人たちの人手不足が顕著となっている。これは、鉄筋コンクリート造りのマンション建設にとっては由々しき事態である。だが、問題はそれにとどまらない。 業界を挙げて建設従事者の待遇改善として社会保険への加入や、休暇の取得、賃上げなどを推進しているため、ある中堅ゼネコンの幹部によれば、「社会保険料分だけでも、請負価格のうちに占める割合が1%アップ」したという。 これらの理由から、建築コストは大幅に上昇しているのだ。 二つ目は、土地の取得価格の高騰だ。振り返れば、建築コストが上昇する中、14年4月の消費増税をにらんだ駆け込み需要が膨らみ、新築マンション市場は「ミニバブDW2017/2/4号_1特_上げ下げマンション大調査P29オーバープリント未 御子柴新築供給戸数新築と中古が逆転!出所:新築供給戸数は不動産経済研究所、中古成約戸数はREINS TOWER10,00020,00030,00040,00050,00060,00070,00080,00090,000100,000・・・・・・・・・・1996年97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16(戸)中古成約戸数29 週刊ダイヤモンド 2017/02/04