ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年2月18日号

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週刊ダイヤモンド17年2月18日号

特集 儲かる農業2017同位体研究所は問題のコメについて、「外国産米と判別される」と検査報告書に明記した(左上写真)。 コメの検査は、生育地で異なる安定同位体(同じ元素でありながら、わずかに重さの違うもの)の構成比から産地を調べる手法で行った。この手法は「安定同位体比による産地判別」と呼ばれ、ヨーロッパではチーズやワインの原産地の特定に使われている。世界的に信頼性が担保された検査技術だ。 本誌が検査を依頼した同位体研究所は、2009年以降、行政検査や司法鑑定などで1000件以上の精米の産地判別を行ってきた。 行政から検査を受託するには産地判別で9割以上の検査精度がなければいけない。同研究所のコメの産地判別の精度は92・8%だ。 今回の検査ではコメ10粒のうち6粒を中国産と判別したが、これが間違いで、実は6粒とも国産だったという確率は7・2%の6乗であり、事実上0%である。“偽装米”を食べ比べセットで販売する大胆不敵 しかも、京山による産地偽装が疑われるコメは1種類ではなかった。日本一のブランド米「魚沼産こしひかり」の10粒中4粒、「京都丹後こしひかり」の10粒中3粒が中国産と判別された。 疑惑は、中国産米のブレンドだけにとどまらない。「魚沼産こしひかり」のうち国産と判別されたコメも、「他府県産である可能性が高い」との検査結果だった。 驚くべきことに、この「魚沼産こしひかり」は、格下の「新潟産こしひかり」と共に「食べ比べセット」として販売されていた。 消費者が高級米と信じて食べていたコメは、中国産や他府県産が混じったデタラメなコメだった疑いがある。それでいて、味の違いを食べ比べてみてとは、大胆不敵以外の何物でもない。検査の コメの産地判別検査の結果結果!!ブラック度偽装が疑われるコメが三つも発覚*検査結果は、本誌編集部が同位体研究所に提供したコメの分析結果であり、同位体研究所は検体の分析結果についてのみ、その結果を証明する*同位体研究所は、検体の収去に一切関与しておらず、検体以外のいかなる製品に対しても、この分析結果を証明しない*穀物検定協会は本誌編集部の依頼を受け、分析を行っただけで記事本文とは関係ありません分析試験成績書発行:2017年1月13~17日、成績書番号:第1 6 - 4 4 5 - 3 9 2 - 1 号~ 第16-445-392-6号、第29-002号~第29-007号※1 「鮮度判定」は鮮度を測る検査で、最も評価が高い「たいへん良い」とランクされた粒の割合※2 「未熟米」は、粒の半分以上が白く濁っている粉状質粒といわれるものの割合出所:○○○○○○2017-02/18号 京都丹後こしひかり価格:2450円(5kg)同位体研究所のコメント穀物検定協会の分析食味スコア鮮度判定未熟米800.0%2.1%10粒中3粒が中国産と判別された。本検体は、国産米と判別されるが、外国産米の混入の可能性がある。ブラック度滋賀こしひかり価格:2300円(5kg)同位体研究所のコメント穀物検定協会の分析食味スコア鮮度判定※1未熟米※28215.3%3.6%×10粒中6粒が中国産と判別された。本検体は外国産米と判別される。ブラック度新潟産こしひかり価格:2580円(5kg)同位体研究所のコメント穀物検定協会の分析食味スコア鮮度判定未熟米8466.7%2.2%10粒中10粒が国産と判別された。ブラック度魚沼産こしひかり価格:2980円(5kg)同位体研究所のコメント穀物検定協会の分析食味スコア鮮度判定未熟米8219.4%1.6%10粒中4粒が中国産と判別された。本検体の安定同位体比値は、魚沼産コシヒカリの値と合致せず、他府県産である可能性が高い。検査するコメは、穀物検定協会が開封。米袋の中から均一にサンプルを採るための均分という作業も依頼したH.S.31 週刊ダイヤモンド 2017/02/18