ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年2月25日号

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週刊ダイヤモンド17年2月25日号

Special Feature 曹界の地盤沈下が叫ばれて久しい。その大きな理由は、2000年代以降の司法制度改革で法曹人口が急増し、弁護士が過当競争にさらされていることにある。 法律事務所の若手弁護士は、ブラック企業と見紛うほどの過酷な労働環境下で酷使される。就職さえできない者も多い。事務所経営の苦しさから、預かり金を着服するなどして懲戒されるベテランも目立って増え始めた。 一方、大企業の法律業務を請け負う五大法律事務所は、M&A(企業の合併・買収)絡みのビジネスが枯渇しつつあるため、危機管理という次なる“獲物”に照準を定めた。またグレーゾーン金利の過払い金返還請求バブルの波に乗ってのし上がった新興系事務所も、生き残りを模索する。  強き者が弱き者を食らう、大サバイバル時代の到来だ。 だが、そんな業界に嫌気が差してか、一般企業や官公庁に就職する法曹も増えている。弁護士の業態は今も変化の途上にある。 法曹界で最上位層の秀才が集うのは、昔も今も裁判官だ。 その頂点に立つ最高裁判所は三権分立の一角を担う。内閣と国会を監視する立場にある最高裁だが、0123456782001年 03 05 07 09 11 13 15 17 18 23 28 33 38 43 48 53 2004年06 08 10 12 14 16出所:「弁護士白書2016年版」 出所:「弁護士白書2016年版」(万人)(万人)012345678裁判官Part2 44㌻~ 検察官 Part 54㌻~3巨悪を前に静観する検察「巨悪は眠らせない」「被害者と共に泣く」を標榜し、果敢に悪事を暴いてきた検察。だが大阪地検特捜部の証拠改ざん事件など不祥事が続出。検察の信用は地に落ちた。捜査能力の劣化が進み、検察庁の容疑者検挙数は低迷を続けているより多くの市民が法的サービスを受けられるように、弁護士数を増やそうと設置された法科大学院。しかし、その思惑とは裏腹に志願者数は激減している官邸の影に脅える最高裁地位と独立が憲法で保障されている唯一の職である裁判官。その頂点に位置する最高裁判所は司法の中でも聖域だが、そこへ今、安倍政権の影が忍び寄っている。司法は聖域を守ることができるのか。まさしく三権分立が試されている司法試験合格率22.9%(2016年)新司法試験制度が始まり、合格者数が増加したことで法曹は大量に供給された。その数はこの15年間で約2倍に。2048年にピークを迎え、その数は7万人にまで達する弁護士数、裁判官数、検察官数の推移安定志向の高まりで人気上昇76人(2016年)91人(2016年)法科大学院の志願者数の推移志願者数激減で廃止続出!法曹三者、膨張中!弁護士数裁判官数検察官数15年間で約2倍!!志願者数はピーク時の10分の1Illustration byYuuki Nara予想法週刊ダイヤモンド 2017/02/25 28