ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年3月11日号

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週刊ダイヤモンド17年3月11日号

特集相続と贈与の大問題族激化」の方から読み解いていこう。左上のグラフは遺産の分け方をめぐる家庭裁判所での調停や審判の件数の推移だ。年間で何と1万4000件超にも上っている。訴訟嫌いとされる日本人が、家族間でしかも公の場でこれほどの争いを繰り広げている現実はちょっとした驚きだろう。 争いのもととなっている遺産自体の金額はどのくらいなのかを示すのがそのすぐ右の円グラフである。高額な場合ほどもめるのではと思うかもしれないが、実際は75%超が5000万円以下。もともとの母数が多いためという推察はできるが、それでも金額の多寡は関係ないことが分かる。 最大の対策として遺言書を書くことを多くの専門家が勧めている。51㌻で詳しく違いに触れるが、遺言書には大まかにいって公正証書と自筆証書の2通りがある。 落合会計事務所の落合孝裕税理士が勧めるのは公正証書遺言だ。「病院に入院しても公証人が出張してくれるところもある。戸籍なども見せながら作成するため間違いがない」と言う。 実際、公正証書遺言の作成件数は増え続け、14年には10万件を超えた。争族回避の切り札なので、ぜひ覚えておいてほしい。件を数多く手掛けている税理士法人弓家田・富山事務所代表社員の弓家田良彦税理士は「感覚的には東京では20%ぐらいが申告の対象になっているようだ」とみる。本当に大変なのは親族同士の争い 相続で大変なのは税金だけではない。増税にはなったが、それでもまだ亡くなった人の9割の遺族は申告の必要がない。本当に大変なのは相続が親族の争いの種となりかねないことだ。「相続」は「争族」といわれるゆえんである。 34?35㌻上の大図解を見てほしい。相続をめぐる争いと税金の実態を表したものだ。超高齢化に伴い、死亡する人の数は今後ますます増え続ける。意味するところは、相続の発生件数が増えるということだ。 まずは左の「争としていたが、試算を上回った。 実際に相続税を納めた人(ただし、申告書の記載人数ベース)で見ると、前年より10万人増えて23万人に、これ以外にも、各種控除などで税金は払っていないが申告した人が同1万3000人増えて3万人に上った。 東京・多摩地区を中心に相続案もあって、結果的に相続税のかかる人が増えてしまったのだ。 それが如実に表れたのが、相続税の申告実績だ。国税庁によると15年中に亡くなった人のうち、相続税を納めた遺族がいる人の数は10万3043人に上り、前年の5万6239人から83・2%も増えた。財務当局は事前に5割増える当局試算を上回るインパクト!相続税増税の影響( 死 亡 者 総 数 に )対する割合相続税の課税対象となった死亡者の数相続税額1兆8116億円相続税を納めた相続人の数23万3555人10万3043人(8.0%)5兆9400億円8343億円2兆3368億円4兆7996億円1兆7256億円15兆6362億円5兆1469億円6732億円1兆8966億円3兆3054億円1兆3865億円12兆4086億円3/11号 P33 イラストレーターCS5 オーバープリント済み 岩崎*国税庁の公表資料を基に本誌編集部作成2014年分2015年分土地家屋有価証券現金・預貯金等その他合計相続財産の内訳約4.6万人増約10万人増約4200億円増1兆3908億円13万3310人5万6239人(4.4%)合計約3.2兆円増33 週刊ダイヤモンド 2017/03/11