ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年3月25日号

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週刊ダイヤモンド17年3月25日号

Special Feature年12月、JR北海道の留萌本線の一部が、惜しまれつつ廃線になった。 対象になったのは日本海沿岸を走る留萌-増毛間16・7㌔㍍。最終運行日までの1年間は全国から鉄道ファンが押し寄せた。観光の駆け込み需要が終わった今、地元は厳しい現実に直面している。 海風に車のハンドルを取られながら、廃線になった路線と並行する道路を運転していると、そこには「寂しい」としか言いようのない風景が広がっていた。 旧「礼受駅」。海抜16㍍にあり、崖の下はもう海だ。駅舎として使われていた中古の車両にサビが浮いている。当然、「駅」を訪れる人はいない。地元の人に話を聞くと、JR北海道は廃線に向けて着々と布石を打っていたようだ。 30年前の国鉄の分割民営化直後、JR北海道は、礼受駅など複数の「駅舎」を趣のある木造建築から中古の鉄道車両へと変えてしまった。中古車両は廃材のようなもので、その原価はただ同然である。 さらには、増毛駅の木造駅舎を、文字通り〝一刀両断〟。駅舎を半分に切って、片方を更地にしてしまった。駅舎を小さくすることで維持コストがどれくらい低減できるのかは分からないが、とにかく、「これからJR北海道は徹底的にコスト削減を断行する」という決意表明のようなものだった。 増毛町長で鉄道ファンでもある堀雅志さんは当時、JR北海道による駅舎の縮小を「つまらないことをするなあと思って見ていた」。 その後も合理化は続いた。JR毛細血管も動脈もストップ「留萌本線」連鎖廃線の恐怖昨廃線が検討されている留萌本線札幌留萌釧路函館旭川北海道留萌留萌本線増毛旭川深川2016年廃線廃線を検討週刊ダイヤモンド 2017/03/25 32Hirobumi Senbongi民営化の「負の遺産」JR北海道の苦悩国鉄の分割民営化は光と影をもたらした。人口の多い都市部ではサービスが改善したが、地方では赤字路線の廃線や縮小が相次いでいる。民営化30年でいよいよ顕在化した「影」に迫った。大国鉄が復活!?