ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年4月1日号

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週刊ダイヤモンド17年4月1日号

Special Featureいう思いもあるだろう。しかし、作品をアート市場とマネーゲームの餌食にさせないという狙いもありそうだ。日本での財団設立による税制上のメリットは37㌻で詳しく述べるが、作家の死後に作品が市場に散逸することを防ぐことができる。世界的に名をはせた作家ですら、カネの悩みとは無縁でいられないのだ。ガラガラの常設展に何時間も待つ大型展作家は生活苦に悩む 日本人の美を愛する気持ちは非常に強い。 何しろ、東京でのアートのイベントを紹介するサイト「東京アートビート」には、1500カ所が紹介されている。米ニューヨークでの同種のサイトでは1200カ所というから、いかに東京に集積しているかが分かる。さらに、地方にも美術館がごまんとある。 017年2月から、草間彌生氏の美術展「草間彌生 わが永遠の魂」が東京の国立新美術館で開催されている。過去の代表作に新作が加わり、270点が紹介される過去最大級のものだ。 その内覧会のあいさつで草間氏は「わが最愛の作品群を私の命の尽きた後も人々が永遠に私の芸術を見ていただき、私の心を受け継いでいってほしい」と語った。 その思いを実現するかのように、展覧会の裏側ではある一つのプロジェクトが着々と進んでいた。 手元に1枚の登記簿がある。そこには17年1月に草間彌生記念芸術財団が設立されたと記載されている。設立の目的に「美術館の運営」ともある。実は、東京にある草間氏のアトリエの隣接地に、美術館がオープンする予定なのだ。 なぜ、財団設立と美術館オープンを進めるのだろうか。当然、多くの人に作品を見てもらいたいと週刊ダイヤモンド 2017/04/01 32作家の側に立って親身になって育て、大事に売ってくれる画廊(ギャラリー)もある。しかし、中には預けた絵を返さないなど悪質な画廊も。また、百貨店も美術品販売では大きな存在だ。一皮むけば美しくない!?金と個性が交差する美術界2Part企業・メディア1Part画廊PrologueP42? P34?Illustration by Yuuki Nara日本の大手新聞社とテレビ局は大きな美術展を企画・運営してきたが、貢献と同時に弊害も指摘される。また、企業や創業者が作品を収集し美術館を運営するケースも多い。2