ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年5月13日号

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週刊ダイヤモンド17年5月13日号

Special Feature 人サービス会社エン・ジャパン社長の鈴木孝二(46歳)は2015年のある日、関連会社の休憩室で愛妻弁当を食べる西口洋平(37歳)の姿を見て絶句した。 エン・ジャパンがまだ数十人規模のベンチャーだった時代に新卒で入社した明るく元気な体育会系社員が、別人のように痩せ細っていたのである。明らかに病的な痩せ方だった。 驚く鈴木に、西口は最も進行した進行度Ⅳ期の胆管がんであることを打ち明けた。「またあらためて報告します」と言っていた西口が再び鈴木の前に姿を見せたのは翌16年の春のことだった。「ステージ(進行度)が進んでしまっているので、いつ何があってもという状況で今考えています」。西口は関連会社を退職し、会社とは別の「最後の仕事」、子供を持つがん患者をサポートするウェブサービスの活動に本腰を入れることを決意していた。「無理でしたら全然いいんですけど──」。西口はさらに続けた。新卒から働き続けたエン・ジャパンでも、今の自分だからできることがあるならば「何か残したい」と希望したのである。 鈴木は「分かった。探してみる」と応じた。昔からよく知る社員だから情にほだされたわけではない。経営者として個人的な感情は意思決定の中に入れない。ちゅうちょしなかったのは、西口であればやってもらいたいことがあるはずと踏んでいたからだ。 拠点立ち上げから法人顧客の新規開拓まで苦労を共にしてきただけに、彼の実力も実績も十分知っていた。 実際、社内の人事部門に投げ掛けてみると、社員採用業務をオファーする回答が返ってきた。人材紹介事業で採用業務の実務経験がある西口のキャリアとその人物評価から、良いパフォーマンスが期週刊ダイヤモンド 2017/05/13 28がんになったことで試される会社と職場と社員の信頼関係あなたは職場の人たちに一緒に働き続けたいと思われるのか。あなたは今の会社で働き続けたいと思えるのか。がんになったとき、会社と職場、社員の信頼関係が試される。働き盛りのがんと仕事出世絶望?即退職?1Part「会社に迷惑を掛けたくない」がんと診断されるとすぐに退職する者もいる。がんになったら働けないというのは時代錯誤。あなたはがんに試されている。ここから新たな道を切り開くのだ。求Toshiaki Usami