ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年7月8日号

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週刊ダイヤモンド17年7月8日号

Special Feature 016年末、ファーストリテイリング(ファストリ)の執行役員がまた一人、同社を後にした。辞めた役員とは、外部企業出身の物流の総責任者である。 来る者も多いが去る者もまた多いファストリでは、もはやおなじみの役員退社。しかし、その裏には同社にとっても決して「おなじみ」とはいえない大混乱が広がっていた。 震源地は16年春に稼働を開始したばかりの東京・有明の巨大物流倉庫。最上階のオフィス部分は、その高級ホテルのような空間が今年3月、マスコミに公開されたばかりだ。が、その下の倉庫部分では、〝音なき緊急アラーム〟が響き渡っていた。 ファストリは今、「世紀の大変革」の真っただ中にある。デジタル化といった時代の波を乗り切るため、従業員の働き方からサプライチェーンの在り方まで、全てを抜本的に改革しようと動いているのだ。 中でも、他に先駆けて改革に動いたのが物流だった。14年、前述の有明の物流倉庫を大和ハウス工業と共同で建て、共に運営すると帝国ホテルで華々しく発表した。リアルタイムの販売状況に合わせ、商品を短時間で仕分けて配送するという、効率を極めた物流拠点の構築に着手したわけだ。 有明は物流改革の中心地であるとともに、大変革全体の拠点にもなった。業務速度を上げるため、eビジネス(インターネット販売など)の〝現場〟である物流倉庫の最上階に広大なオフィスをワンフロアで展開。ユニクロの商品企画やマーケティング担当者など、約1000人を配置した。 大変革は水面下で着々と進んでいる。例えば、生産を委託している有力な協力工場には、効率化の一環で、工場に物流施設を併設してもらう方向で動いているもようだ。実店舗の品ぞろえも、店側の意見をより多く取り入れて決められる体制を目下、模索中だ。 ところが、冒頭の通り、肝心要の有明の倉庫部分で緊急アラームが鳴っている。いったい何が起こったというのか。増え続けるコスト進まない効率化…会長の怒りは頂点に まず、物流倉庫内のオペレーションの不備によって想定外の費用が膨れ上がった。 有明の物流倉庫は、海に囲まれ2週刊ダイヤモンド 2017/07/08 30Prologue大変革の拠点で起きた知られざる混乱の真相