ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年3月3日号

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概要

週刊ダイヤモンド18年3月3日号

特集現場で役立つ会計力“どのように導入するか〟も大事になる。企業再建を手掛ける財務戦略コンサルタントの田中慎一・インテグリティ代表は「売り上げや利益を1人当たりで示したり、どうしたら利益が出るのかを図で易しく示したりすると、現場の理解度、雰囲気ががらりと変わる」と明かす。器を作るだけでなく、魂を注入する必要があるのだ。 今回の特集ではそうした導入の勘所も含めて、管理会計を中心に据えた。つまり、より即戦力となる会計スキルを紹介している。 ただし、財務会計も管理会計も根っこでは共通するものが多い。また、管理会計を理解するにはまずは財務会計の基本である「財務3表」の読み方をざっくり覚えておかなければならない。 こうしたことを踏まえ、特集は3部構成にした。まずは、基本の「財務3表の読み方」を紹介し、次に「現場で生きる、出世できる会計」のスキルを、最後に「幹部に求められるファイナンスの知識と組織論」を紹介する。 ステップ1は全ての働く人に、ステップ2は課長など中間管理職と、それになりたい人向けに、ステップ3は経営幹部に必要な内容となっている。特集を読んで、ライバルに差をつけてほしい。 さて、本誌ではこの1年の間に、2回ほど会計に関する特集を組んできた。2017年6月10日号の「会計&ファイナンス超理解」と、9月9日号の「決算書100本ノック!」だ。 今回の特集はその2回に比べると、より現場で活用できること、自分の仕事が強くなることに重点を置いている。 実は会計には幾つかの分野がある。企業の1年間の成績表ともいえる決算書を作成して外部に公表するための会計を「財務会計」と呼ぶ。前述の2回の特集はこちらを中心に扱っている。 ただし、財務会計だけでは会社の経営はうまくいかない。想像してほしい。トヨタ自動車が外部に公表している決算書を現場の一人一人に見せて、「来年も利益1兆円以上を目指そう」と言ったらどうだろうか。あまりに大き過ぎて雲をつかむような話で、実感が湧かないはずだ。大きさもさることながら、それぞれの現場によって目指すべき指標も異なるだろう。 つまり、財務会計ではない、現場が動くための会計が必要で、それを「管理会計」と呼ぶのだ。 さらには、数字さえ設定すれば自動的に現場が改善されるということはあり得ない。管理会計は31 週刊ダイヤモンド 2018/03/03会計で 現場を 社内社内の各部署に対して「原価が上がっているよ!」「利益が減ったよ」などと提示し、頑張ってもらうためにあるのが管理会計。決められたルールはないものの財務会計との共通点も多く、運用にファイナンスのスキルが必要なこともある。Illustration by Yuuki Nara