ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年8月25日号

ページ
4/6

このページは 週刊ダイヤモンド18年8月25日号 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

週刊ダイヤモンド18年8月25日号

Special Featureわれわれは後に思い知らされるが、当時は「これこそが新しい時代」と錯覚していたのかもしれない。 その後のバブル崩壊と、日本の凋落ぶりは今更言うまでもない。バブル崩壊後の〝負の遺産処理〟には「失われた20年」と呼ばれるような長い時間を空費した。 そしてその間、日本から「変革への機運」も失われていった。生活様式は変わり、働き方も多様化、労働人口や消費構造など、社会を形成するあらゆる土台が変化するにもかかわらず、決別するべきだった昭和の価値観はいびつな形で居座り続けた。 惰性による停滞──。結局、30年を経てもなお、昭和という〝レガシー(時代遅れの遺物)〟を引きずったままという感は否めない。 もっとも、その中でも軽やかに新しい時代に適応した層は猛スピードで先を走る。主にデジタル分野では「新しい資本主義」ともいうべき経済ルールが台頭しており、もはや停滞は許されない。 結局、平成とは、昭和と次の変革の時代をつなぐ、長い助走期間にすぎなかったのかもしれない。大いなる反省を込めて、平成経済史を振り返っていこう。 争と平和、貧困と繁栄という明暗で彩られた六十余年にわたる昭和時代が幕を閉じ、1989年1月8日、平成時代が始まった。 同年の本誌1月21日号では、「〝平成景気〟への期待」という特集を組んでおり、斎藤精一郎・立教大学教授(当時)が、こんな談話を寄せていた。「改元は、激動の昭和時代に心理的なピリオドを打つことで、21世紀を展望する平成時代へ、人々を本格的に立ち向かわせる契機を供する。身の回りから企業経営の現場までリシャッフル現象が広がるかもしれない」 当時は確かに、新しい時代の始まりとともに、あらゆる領域で新旧交代が進むという空気があった。 思えば平成元年は、世界企業の時価総額ランキングで日本企業が上位を独占し、GDP(国内総生産)をはじめとする各種経済指標も日本は世界のトップ水準にあった。日経平均株価は平成元年12月29日の大納会で3万8915円を付けた。地価高騰も凄まじく、東京23区の地価が米国全体の地価の合計を上回るといわれた。 これらの現象はバブルだったと平成とは、昭和から次なる時代への変革をつなぐ長い助走期間だったのかプロローグ平成元年 5 10 15 20 25 30(%) 長期金利9876543210▲128年7月27日 ▲0.297%2年9月28日 8.105%平成元年 5 10 15 20 25 30020406080100120140160180(円/ドル) ドル・円相場23年3月17日 76円25銭2年4月2日 160円35銭週刊ダイヤモンド 2018/08/25 30惰性と停滞34㌻~戦