ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年10月27日号

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週刊ダイヤモンド18年10月27日号

 聞制作を活版印刷からコンピューターに変革する大新聞社の技術革新を追った『メディアの興亡』が世に出たのは1986年のこと。そして、金融情報の覇権をめぐる日米欧メディアの情報革新を記した『勝負の分かれ目』の出版は99年だった。 2冊の傑作ノンフィクションで、杉山隆男と下山進の両氏が描いたのは激動のメディア史だった。『勝負の分かれ目』から20年近くを経た今、混迷の度を深めるメディア業界はテクノロジーの劇的な進化によって、さらなる変革の大波にさらされている。クリプション」モデルだ。 月額800円(ベーシック)で視聴し放題の「ネットフリックス」のようなサービスと言えばお分かりだろうか。紙メディアでも米「ウォールストリート・ジャーナル」など、徐々に成功事例が増えており、日本でも多くの紙メディアが今まさに挑戦しているところだ。 こうした外部環境の激変によって、瀬戸際に立つ日本のメディア業界の序列は数年で大きく変わる可能性が高い。ている。 伝統メディアは情報を流通させる主役の座をも奪われてしまった。米グーグルや米フェイスブックといった「プラットフォーマー」が一気に覇権を握り、伝統メディアの収益機会は急激に減ってしまった。「DIGIDAY日本版」の長田真編集長は「昨年のデジタルの広告費は、前年から約2000億円も伸びて1兆5000億円を突破したが、そこで最も恩恵を受けていたのは、やはりプラットフォーマーだった」と指摘する。 PwCコンサルティングの久保田一輝シニアマネージャーは、「テクノロジー企業がメディア業界に参入してきており、良質なコンテンツの争奪戦が起きている」と現状を解説する。 そんな中、世界中のメディアが自らのコンテンツを有効活用しようと模索しているのが、デジタルで定額の有料課金をする「サブス 変化を読み解くキーワードは、「モバイル」「パーソナライズ(個人に最適化)」「5G」「プラットフォーム」「サブスクリプション」──という五つの言葉。一つずつ説明していこう。後れ取る紙メディア一気に覇権を握ったプラットフォーマー ニュースはスマートフォンなど「モバイル」端末で読むのが当たり前になり、新聞や雑誌といった紙メディアは劇的に部数を減らした。雑誌の場合、書店の減少も重なって特に厳しい状況に追い込まれている。テレビも視聴時間をスマホに奪われ、メディアとしての競争力を低下させた。 そうしたモバイル端末に配信されるのは、アルゴリズム解析によって「個人に最適化」された情報である。 データ通信の大容量・高速化を可能にする「5G」が間もなく本格運用され、動画の常時接続が当たり前の時代を迎える。5G時代の到来を見据えて、テレビはもちろん、大手通信からスタートアップまで、さまざまな企業が動画ビジネスに参入している。しかし伝統メディアはここでも後れを取っメディア業界の序列を決めるPrologue4つの格差メディア業界を取り巻く環境の変化プラットフォーム化5大変化に対応せよ主役が伝統メディアからプラットフォーマーに移行パーソナライズ化テクノロジーでコンテンツを個人ごとに最適化5G化通信速度の超高速、大容量化で常時接続の時代にサブスクリプション化定額の有料課金化でコンテンツサイドの逆襲が始まるモバイル化メディアとの接触がPCからスマホ、タブレットに移行週刊ダイヤモンド 2018/10/27 30新