ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年10月27日号

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週刊ダイヤモンド18年10月27日号

特集メディアの新序列社だ。いずれかが再編のトリガーになるとみる関係者は多い。「テクノロジー格差」はデジタル新興メディアと伝統メディアの間で広がる一方だ。伝統メディアが上図に示した「メディア2・0人材」の採用を急がなければ、致命的な格差が生じかねない。 人事面については、伝統メディアがいまだに幹部人事で編集部門出身者を優先するといったいびつな「人事格差」が横行しているという。 伝統メディアが没落する一方、新興メディアがそれに代わって急速に台頭するかと思いきや、新旧間の「待遇格差」がネックとなって思うほどは進んでいない。 今回の変革期の特徴といえるのが、AI(人工知能)活用やデータアナリティクス、アプリ設計、アルゴリズム解析といったテクノロジーやデジタルの波が、編集のみならず広告や販売に至るまでメディアのあらゆる部署に押し寄せている点だ。 結論から言えば、勝ち残るのは編集とテクノロジー、そしてビジネスを融合させることができたメディアだろう。そのときメディア業界の序列には、どのような変化が起こっているのか。「メディアの興亡」をお届けする。 今、覇権を握っているのは伝統メディアではなく、情報の流通を押さえた大手プラットフォーマーたち。彼らに収益機会を奪われた伝統メディアはテクノロジーを活用しながら、新たな収益機会を探る旅の真っただ中にいる。 本誌は業界の新序列を決めるのは四つの「格差」だと考えている。すなわち、「財務格差」「テクノロジー格差」「人事格差」「待遇格差」である。 財務が悪化すると人材が流出し、将来に向けたテック投資もままならなくなる。テクノロジーが弱いとイノベーションに付いていけない。幹部の人事がいびつだと社内の旧弊に縛られて改革が進まない。そして待遇が悪いと人材が集まらず、良質なコンテンツを送り出せない──。結果、業界序列の下層に沈むというわけだ。今回勝ち残るのはテックとビジネスが編集と融合した企業「財務格差」はビジネスモデルが崩壊した新聞業界で顕著だ。盟主の朝日新聞社ですら大幅な賃下げを余儀なくされているが、さらに悪化が著しいのが、負け組と呼ばれて久しい毎日新聞社と産経新聞(兆円)イード弁護士ドットコムGunosyアイティメディアNewsPicks毎日新聞朝日新聞日本経済新聞テレビ東京日本テレビTBS2004年 06 08 10 12 14 1601.21.41.61.82.02.2(万円)(歳)05001,0001,5002,000 CTO(最高技術責任者)エンジニア(iOS・Android/サーバーサイド)データサイエンティストデジタルマーケターUIUXデザイナーエンジニア(機械学習)ソーシャルエディターインフォグラフィックデザイナーコミュニティーマネジャープロデューサー記者デザイナーディレクター編集者カメラマンメディア2.0人材採用できないと格差は拡大メディア1.0*各社の直近期の平均年収。民放キー局と毎日新聞は持ち株会社の年収。また毎日新 人材聞は2015年3月期の数字。NewsPicksの平均年齢は親会社のユーザベースのもの出所:各社有価証券報告書とアンケート出所:日本新聞協会*かっこ内は、全国紙5社の取締役52人(社外取締役等を除く)の出身部門の人数出所:○○○○○○2018-10/27号 編集部門が支配 3部門が融合伝統メディア伝統メディア伝統メディア激減する新聞社の販売・広告収入新興メディア新興メディア編集テクノロジー編集(40人)非編集(12人) ビジネス平均年齢 51.5 48.6 47.0 43.5 44.7 45.4 33.4 38.6 31.3 33.9 36.94つの格差がメディアを変える人事格差財務格差待遇格差テクノロジー格差伝統メディアは旧態依然の編集支配 伝統メディアはプラットフォーマーに売り上げを奪われ経営が悪化伝統メディアと新興メディアの年収には大きな壁伝統メディアは「メディア2.0人材」の採用に遅れ31 週刊ダイヤモンド 2018/10/27