ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年11月24日号

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週刊ダイヤモンド18年11月24日号

特集米中戦争 中国になびけば、米国がトヨタを狙い撃ちして過剰な対米投資を迫るに違いない。米国になびけば、30年越しの和解が台無しである。 トヨタのある幹部は、「保護主義への傾斜やインセンティブ競争の激化など、米国の環境が厳しくなったから中国にシフトしているわけではない」と言い切るが、実情は米中の2大市場でバランスを取っていると考えるのが自然だ。 11月6日の中間決算では、小林耕士・トヨタ副社長が「22年までの北米への投資はすでに発表しているが、4億㌦のハイブリッド車投資も考えている」と発言。対米投資の引き上げを強調してみせた。トランプ政権に情報がどう伝わるかを計算し尽くしての発言だったのだろう。 つまるところ、トヨタをはじめ、大手日系メーカーは米中への二重投資を迫られる。日米貿易摩擦と似通ったハイテク覇権争い トヨタの決算発表と同日に投開票があった米中間選挙では、上下院の多数派が異なる「ねじれ」になった。トランプ政権の運営が難しくなることから、一層、米国フ中国でも展開する算段なのだ。 今年5月に中国の李克強首相が北海道にあるトヨタの生産拠点を訪れたあたりから、中国シフト加速へと潮目が変わった印象だ。1980年代に中国へ出遅れたトヨタと中国にはわだかまりがある。今、その歴史的な雪解けが訪れているといってもいい。 言うまでもなく、かつてないほどに中国政府が日本へ接近しているのは、関係悪化の一途をたどる米中関係があればこそだ。中国からすれば、比較的米国とコミュニケーションが取れる日本と仲良くしておいて損はない。 中国か、米国か──。板挟みのトヨタの立ち位置は極めて難しい。Masakazu Takasu31 週刊ダイヤモンド 2018/11/24内実は「形を変えた保護主義」米中間選挙の前日に開催初日をぶつけた上海での国際輸入博覧会。習近平・中国国家主席は、「向こう1 5 年で4 5 0 0兆円を輸入する」と自由貿易主義を高らかに宣言した。米中首脳会談で折り合いをつけるのは難しいトヨタが入居する可能性も?北京から車で約2時間の所にある「雄安新区」。習近平氏肝いりのスマートシティーには中国の外資企業が群がるM.T.