ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年12月8日号

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週刊ダイヤモンド18年12月8日号

特集日本人はもうノーベル賞を獲れない算は3兆2859億円で、同3兆2891億円の中国と並んでいた。ところがその後、日本がほぼ横ばいで推移する中、中国は怒濤の勢いで科学技術予算を積み増していった。16年は22兆3988億円。日本の6倍以上である。 当然ながら、同時に研究者数、論文数でも日本は中国に大差をつけられている(→34㌻)。 16年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典・東京工業大学科学技術創成研究院栄誉教授も、「現状を放置すれば日本の基礎科学は徹底的に駄目になるでしょう。さまざまな領域で世界レベルに対応できず、その穴を埋めるには何十年もかかる。しかし国の危機意識は非常に乏しいと感じています」と警鐘を鳴らす(→44㌻)。 1973年のノーベル物理学賞受賞者、江崎玲於奈・茨城県科学技術振興財団理事長も、基礎研究に対する世間の理解に苦言を呈する。「今は、基礎研究に対して『役に立たない』という不当な評価があります。当初から役に立つことを狙っているような基礎研究などあり得ません」(→39㌻)。 一方、日本の研究開発投資の8割を占める民間企業も頼りない。80年代には、大企業の多くが「中央研究所」を抱え、基礎研究の一翼を担っていたが、バブル崩壊以降は収益への貢献度を理由に撤退が相次いだ(→50㌻)。 企業における研究開発領域で存在感を強めているのは、米国のグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのGAFAを代表とするITジャイアントだ。 米国でもAT&Tのベル研究所や、IBMのワトソン研究所など、基礎研究分野を担う中央研究所の存在感は薄れているが、新たな主役に躍り出たGAFAたちは、AI(人工知能)をはじめとするコンピューターサイエンスの研究成果を続々とITサービスのプラットフォームに投入し、収益に結び付けていく。さらに彼らの研究領域は、旧来型の製品・サービスのディスラプション(破壊)を伴うイノベーションを内包している例が多い。実は、中国のアリババ、テンセント、ZTE、バイドゥといった企業も、こうした米国型の研究開発で猛追を始めている。 相変わらず製造業中心の研究開発に終始する日本企業は、ビジネスモデルの点でも置き去りにされているのだ(→46㌻)。 科学技術立国・ニッポンが置かれている状況は極めて厳しい。1234567891011121314151617181920212223242526272829303132333435363738394041424344454647484950111837383940515354556874767997102103104109121122123125126142145147149159163170176178180185186188192196213220222232240241245252254255258トヨタ自動車ホンダ日産自動車ソニーパナソニックデンソー日立製作所武田薬品工業キヤノン東芝第一三共アステラス製薬日本電信電話三菱電機アイシン精機富士フイルムホールディングス大塚ホールディングス住友化学富士通エーザイスズキ三菱ケミカルホールディングスソフトバンクグループマツダSUBARUルネサスエレクトロニクス住友電気工業三菱重工業リコーNECTDKシャープ東京エレクトロンいすゞ自動車村田製作所ブリヂストンヤマハ発動機オリンパス旭化成コニカミノルタコマツ新日鐵住金小野薬品工業東レ豊田自動織機任天堂塩野義製薬オムロン東海旅客鉄道ニコン100.270.846.243.242.342.131.330.629.327.822.220.820.119.817.215.715.615.614.913.113.113.112.912.811.411.311.110.810.510.29.79.59.19.18.98.98.88.48.17.36.96.96.56.26.26.05.65.65.55.53.95.44.26.06.19.93.618.88.16.024.716.81.95.05.17.214.28.53.525.94.44.11.54.23.616.34.22.95.54.18.84.912.15.08.32.75.912.04.68.04.11.628.13.33.913.117.77.43.37.8%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%世界順位 順位 社名 研究開発費(億ドル)対売上高比率自動車、電機が上位を占める日本企業のR&D費ランキング(2018年)*順位は1000万ドル未満を加味している出所:Bloomberg、Capital IQ、PwC Strategy& 「2018年グローバルイノベーション1000調査」12/8号 1特 P33 イラストレーターCS5 オーバープリント済み 岩崎33 週刊ダイヤモンド 2018/12/08