ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年1月12日号

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週刊ダイヤモンド19年1月12日号

特集変わります! ニッポンの酒まりだ。「08年からいわゆるメタボ健診が始まったこともあり、酒を控えようという男性が増えた可能性がある」(久我尚子・ニッセイ基礎研究所主任研究員)。 逆に女性の方は、40代以上で飲酒習慣率が上昇している。女性の社会進出で外飲みの機会が増えていることや、女性が入りやすい飲食店が増えてきたからだろう。 環境の激変で市場縮小にあえぐニッポンの酒に突破口はあるのか。「酒業界が存続するためには、造り手にも飲み手にも若い人が必要だ」。老舗の酒専門店、横浜君嶋屋の君嶋哲至社長はそう指摘する。 この言葉通り、ここ数年で酒業界では若い世代による新たな動きが活発化している。キーワードは四つある(上図⑥参照)。①正面突破が難しい局面で、あえて戦う土俵をずらして壁を跳び越える動き。②ものづくりのストーリー性を消費者に訴求するマーケティング戦略。③テロワール(産地や気候、土壌の個性)にこだわった酒造り。④人工知能(AI)やITを駆使した酒造りのテック化だ。 次ページ以降の第一章で、これら四つのキーワードの実例を紹介する。酒業界の新たな胎動は、成熟市場の突破口を探る全ての産業にとってもヒントとなるはずだ。ビールは半減、リキュールが急増出所:国税庁「酒のしおり」(平成30年3月)*厚生労働省「国民健康・栄養調査」を基にニッセイ基礎研究所作成*厚生労働省「国民健康・栄養調査」を基にニッセイ基礎研究所作成③酒類販売数量構成比の推移④男性の飲酒習慣率の変化⑤女性の飲酒習慣率の変化020406080(%)■1996年■2016年■1996年■2016年70歳以上60~69歳50~59歳40~49歳30~39歳20~29歳70歳以上60~69歳50~59歳40~49歳30~39歳20~29歳05101520(%)(%)0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 10016年2009年99年1989年20ページ24ページ28ページ32ページ⑥ニッポンの酒を変える四つのキーワードキーワード●? テック化人工知能(AI)やITを酒造りで活用し、生産性を高めるだけでなく、安定的に高品質な酒造りを実現するテロワール(産地へのこだわり)米やブドウの産地や気候、土壌の個性に徹底的にこだわり、自分にしかできない酒造りを追求して差別化を図るストーリー性酒造りに込めた熱い思い、ストーリー性を消費者に訴求し、新たなライフスタイルを提案するマーケティング戦略土俵をずらす直面する課題を正面から突破することが難しい場合に、戦う土俵を変えるのではなくちょっとずらして、壁を跳び越える30~40代の飲酒習慣率は大幅に低下40歳以上の女性の飲酒習慣率は上昇キーワード●?キーワード●?キーワード●?■清酒 ■焼酎 ■ビール ■発泡酒 ■その他醸造酒 ■リキュール類 ■ウイスキー類 ■果実酒類 ■その他6.4% 9.9% 31.3% 8.7% 6.8% 24.5% 1.8% 4.3%15.7% 5.8% 71.0%19 週刊ダイヤモンド 2019/01/12 新春号