ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年2月2日号

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概要

週刊ダイヤモンド19年2月2日号

Special Feature 合商社トップの三菱商事が、家具のサブスクリプションの事業化へ向けて、具体的な検討を進めていることが、本誌の取材で明らかになった。オリジナルの家具を製造・販売している良品計画の協力を得て、すでに2018年10月から実証実験を開始。これまでモニターとして選定した数十人程度の顧客に対して、実際にサブスクリプション形式で「無印良品」の家具を提供するなどして、事業化の可能性を探ってきた。 家具業界では昨年にサブスクリプションで商品を提供するスタートアップが生まれるなど、長年変わらなかった業界構造に変化が出始めていた。家具業界関係者によれば、そのころから良品計画だけではなく、スウェーデン発祥の大手家具チェーン、イケアなどの業界大手も、サブスクリプション事業へ参入するうわさが浮上していたという。 今回、三菱商事が良品計画とタッグを組んで具体的に検討を始めたことで、他の家具メーカーが追随する可能性もある。家具業界内の構造変化が、いよいよ本格的に進むことになりそうだ。 三菱商事がサブスクリプション事業を検討する背景には、「所有から利用へ」という消費者の変化が無視できないほど大きくなってきたことがある。 それに加えて、日本は本格的な人口減少社会に突入するため、これまで以上に物が売れなくなることは確実だ。そうした危機感が、サブスクリプション事業の具体的な検討へと、背中を押したことは想像に難くない。サブスクの事業ノウハウを得て横展開の可能性も サブスクリプションでの商品の提供には、在庫の管理や顧客との間で行われる商品の配送・回収、さらに次の顧客へ提供するための修繕など、これまでとは違う運営を行わなくてはならない。さらに、顧客がサービスを利用している中で生じる、さまざまな要望や問い合わせに対応することが必要だ。 実証実験段階で、「事業化するかどうかも含めて、サービス概要はまったくの未定だ」(三菱商事)というが、三菱商事と良品計画は、サブスクリプション事業で必須のこうした具体的な運営ノウハウを、実験を通して得ているとみられる。 その上で、三菱商事は今後、他の消費財に対象を広げられるか検cAkira Fujii/stock.adobe.com三菱商事が実施する実証実験に、家具を提供する形で協力した良品計画三菱商事は、消費者から衣食住に関するインサイト(洞察)を得て、新しい事業につなげていきたい考えだ週刊ダイヤモンド 2019/02/02 30三菱商事、サブスク参入へ継続課金の大波PrologueYasuo Katatae REUTERS/アフロ総