ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年2月16日号

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週刊ダイヤモンド19年2月16日号

Special Feature たくで買ったタイヤチェーンのサイズが合わなくて装着できない。いまからすぐにスキー場まで代替品を持ってこい!」 理不尽な要求だと分かってはいても、客のあまりのけんまくに屈し、カー用品店の店員はスキー場までチェーンを届けた。するととんでもない言葉が飛び出す。「チェーンが届くまでの時間が無駄になった。その時間料を払え」──。 モンスターは客だけではない。職場にもいる。「まだそんなことやってるの? 日が暮れちゃうよ。この程度のことならできると思ったのに、あなたに任せたのが間違いだった」 中堅企業で働く20代の女性は、先輩で40代の女性社員に目を付けられていた。嫌みを言われるのは日常茶飯事で、誰かと話をしていると「ちょっといま何話してたの!」と詮索される。 忙しいときにこちらから話し掛けると、「空気読んでよね! それどころじゃないの。見て分からないの? バカじゃない!」などと暴言を吐く。何をやってもキレる、まさにモンスターだ。 いま世の中には、このようなモンスター化したクレーマーや社員が急増している。 繊維、化学、流通、サービスなどの生活関連産業に従事する労働者によって組織されている労働組合、UAゼンセンが、2017?18年に8万人余りの組合員を対象に行った「悪質クレーム対策アンケート調査」によると、実に7割強の組合員が「客からの迷惑行為に遭遇したことがある」と答えている。 モンスタークレーマーによる迷惑行為の中身を見ると、最も多いのは冒頭の事例のような「暴言」や「威嚇・脅迫」で、「何回も同じクレーム」「説教」も相当数に上っている(左ページ右上図参照)。9割の現場社員がクレーマーによる精神的苦痛を訴える モンスタークレーマーによる迷惑行為は、現場で働く人たちに大きな影響を及ぼしている。 左ページ右下図で示したように、「精神疾患になったことがある」と答えた人が1%、約600人もいる。「強いストレスを感じた」と答えた人は54%に上り、「軽いストレスを感じた」も合わせると、全体の約9割がクレーマーの迷惑行為によって精神的なダメージを被っているのである。「お週刊ダイヤモンド 2019/02/16 32Illustration by Yukio AsakaPrologue日本の低生産性の真犯人はクレーマーだった!