ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年3月9日号

ページ
4/6

このページは 週刊ダイヤモンド19年3月9日号 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

週刊ダイヤモンド19年3月9日号

週刊ダイヤモンド 2019/03/09 32Special Feature ければ3月初めに、農作物流通を一変させるサービスが立ち上がる。農業ベンチャーのマイファームが、オンライン卸売市場の「ラクーザ」を創設するのだ。 ラクーザは、インターネット上で農家が出品した農作物を買い手(スーパーや飲食店)が入札で競り落とす仕組み。何といっても、農家が自由に値決めできる点が新しい。既存の規格や出荷ロットにとらわれず、農家自身が小売りや外食チェーンのバイヤーと直接、価格交渉ができる。 西辻一真・マイファーム社長は、「農家がきちんと適正な利益を得られる価格で出品し、良質な農産物ならば競り方式で価格が上がっていく。取扱量が増えてラクーザの相場ができれば、〝大田の相場〟を壊せる」と言い切る。けなら無料。取引の成立時点で、販売額の15%の手数料が掛かる。首都圏で直売所に置いてもらうとき(直販)の手数料が2割程度だというからリーズナブルだ。 通常の市場出荷では、中間流通コストなど諸経費を引いた「農家 大田市場(東京都大田区)といえば、青果物で取扱高日本一を誇る巨大市場だ。ラクーザの初年度目標は、流通総額10億円と控えめではある(農家と買い手を合わせた会員獲得数の目安は4000ユーザー)。だが、「いずれ卸売市場へ流れる農産物流通の全てを獲得していきたい」(西辻社長)と、静かな野心を燃やしている。 千葉県柏市の岩立ファーム(チンゲンサイがメーン)の岩立昌之さん(38歳)は、サービス立ち上げに興味津々だ。デジタルネーティブ世代なので、スマートフォン操作にも抵抗がない。「この20年間、どんなに資材費や物流費が上がっても、その上昇分が出荷価格に転嫁されたことはなかった。値決めをできるラクーザは魅力的だ」(岩立さん) 農家がラクーザの会員になるだFusako Asashimaラクーザのスタッフから説明を聞く岩立昌之さん(右)。農家が値決めできるサービス開始に興味津々だ」 を壊せ!「卸売市場」創設の衝撃流通破壊者の誕生物流コスト増大の直撃で、日本の農産物流通は疲弊している。農家が適正な利益を得られる流通への変革は待ったなしの情勢だ。既存流通を壊す変革者たちが相次いで誕生している。1P a r tc123RF早