ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年3月9日号

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週刊ダイヤモンド19年3月9日号

33 週刊ダイヤモンド 2019/03/09特集儲かる農業2019も完全にマヒしている。九州地域から出荷された農産物が、JA経由で東京の大田市場へ送られ、それがまた九州エリアのスーパーへ「分配される」という無駄な配送もよくあることだ。 これだけ物流危機が深刻化してもなお、こんなばかげたことが続けられている。そして、その膨大な物流コストを負担しているのは、末端農家であり消費者である。 農家が適正な利益を得られ、消費者ニーズの多様化に応えられるような流通改革は待ったなしの情勢だ。そして今、既存の流通構造を壊し、農業を変革しようとする企業や企業連合が相次いで誕生している。どうか、反応を試すことができる。価格形成機能も食の分配機能もマヒしている「市場を壊すようなサービスを始めます」──。 ラクーザをオープンするに当たって、事前に、西辻社長は市場の〝重鎮〟のところへ足を運んでいる。直販やインターネット通信販売の拡大により、ただでさえ市場流通は疲弊している。ラクーザの登場は、市場流通の息の根を止めかねないほどのインパクトがあるのだ。 実際に、市場機能の弱体化は甚だしい。まず、農家に適正な利益が残る「価格形成機能」が果たされていない。仲卸業者など多くのプレーヤーが介在しており、無駄な中間コストが加算されるからだ。 しかも、相対取引が多く競りが少ない。有名産地というだけで質の伴わない農産物に高値が付くなど、価格硬直性が高く、市場競争が価格に反映されない。 食の「公平な分配機能」取り分」は売価のわずか4割程度。いかに無駄なコストが、農家の経営を圧迫しているかが分かる。 また、ロットを小さくし、テストマーケティングの場としてラクーザを活用するのも一計だ。「チンゲンサイは加熱せずに生でも食べられるし、調理法も中華だけではないことを知ってほしい」(岩立さん)。例えば、調理法の提案などの訴求がバイヤーに利くか物流コスト高騰で軋む既存流通農林水産物の流通経路3/9号 1特 P33 イラストレーターCS5 オーバープリント済み 岩崎出所:農林水産省「卸売市場をめぐる情勢について(2018年7月)」輸入製造業者、小売業者、外食業者など商社出荷者(農協、個人等)消費者卸売業者中央市場:160地方市場:1,255仲卸業者  中央市場:3,161 地方市場:2,733売買参加者 中央市場:23,738 地方市場:105,337卸売市場 中央市場:64市場 地方市場:1,060市場●価格形成機能●集荷・分荷機能●代金決済機能市場機能の弱体化直売所、青空市場、宅配など産地直接取引など①直販取引の拡大②小売り・外食の支配力上昇③農協の弱体化④消費者ニーズの多様化⑤物流コストの高騰弱体化の理由リアル卸売市場から〝仕事?を奪うマイファーム「ラクーザ」の仕組み3/9号 1特 P33 イラストレーターCS5 オーバープリント済み 岩崎農家スーパー八百屋飲食店商品発送検品出品 入札生産者評価入金(代金・配送料)購入者評価支払い( )ラクーザオンライン卸売市場オークション機能サンプル機能決済機能「大田の相場」 オンライン