ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年4月6日号

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週刊ダイヤモンド19年4月6日号

Special Feature そしていま。日本に第4次ベンチャーブームが訪れている。12年以降、景況感が持ち直す中でベンチャー投資が白熱し、メルカリを追い掛ける〝ユニコーン予備軍〟が幾つも勃興し始めている。 これも以前と同様、バブルとなって消え去るのか。否、多くの関係者が「今回のブームは以前とは異なる」と口をそろえる。果たして、何が違うというのだろうか。カネが変わった  いまのベンチャー投資がこれまでと違うことは、カネとヒトから分析するとよく分かる。 カネの部分をけん引するのは、大企業だ。これまでベンチャーへの投資は専業のベンチャーキャピタル(VC)が主に担ってきた。ところが昨今は、大企業が主体となって出資するコーポレートベンーブームを経験してきた。 第1次は1970年代、日本電産やキーエンスの時代である。素材産業から、自動車や電機といった加工型の産業への転換期であり、研究開発型の製造企業が多く設立された。しかし、第1次石油ショックなどのあおりで消沈した。 第2次は、エイチ・アイ・エス、ソフトバンクなどが登場した、重厚長大産業からサービス産業などへの転換期、82年から86年のことである。ソフトバンクの孫正義氏といったいまも第一線で活躍するレジェンドが誕生したが、これも円高不況でブームは消え去った。 第3次は94年以降のインターネットの時代。サイバーエージェントやディー・エヌ・エーなどあまたのIT企業が登場し、果てはヒルズ族と呼ばれるようなIT長者が生まれた。だが、ネットバブルの崩壊やライブドアショックが続き、まさにブームはバブルとなって消えた。 018年6月19日、東京証券取引所に高らかな鐘の音が鳴り響いた。この日、日本初のユニコーン(時価総額が約1000億円以上の未上場企業)であるメルカリが満を持して上場を迎えたのである。創業からわずか5年というスピードで成し遂げた〝ジャパニーズドリーム〟。上場時の時価総額は7172億円にも上った。 メルカリが打ち鳴らした鐘は、日本のベンチャーの新たな夜明けを告げる知らせでもあった。 メルカリだけではない。いまや、上場前のベンチャーには多額のカネが集まるようになった。「5年以上前ならベンチャーが数千万円の出資を受けるだけでニュースになりましたが、いまでは10億円以上を集める企業もざらにあります」(フェムトパートナーズの磯崎哲也ゼネラルパートナー)というから驚きだ。 これまで日本は4回のベンチャ?価値、値打ち。意義といった使われ方も。(例)「この事業、どこにバリューがあるの?」 週刊ダイヤモンド 2019/04/06 30ブームは本物か?スタートアップを取り巻くPrologue 3つの環境変化2masakuniterui/PIXTA