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週刊ダイヤモンド19年5月25日号

Special Feature界の2大経済国が追加関税の応酬を繰り広げる「米中貿易戦争」が、株式相場に下落圧力をかけている。だが、日本株が乱気流に巻き込まれ得る出来事は、何もこれだけでない。米中貿易戦争を含め、い税」の効果で景気が押し上げられた面は否めず、今秋にもその効果が一巡するとみられている。三つ目に、GDP世界2位の中国経済の先行き不安だ。中国政府の景気刺激策で4月ごろから経済指標の改善が見られたが、みずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは「政府が景気対策の効果が早く出過ぎたと考え、引き締めに動く可能性がある」と話す。中国経済は地方政府や民間企業の債務問題をはじめ多くの課題が指摘されるが、例えば過熱感が見られる不動産市場を政府が引き締め、これを引き金に不動産バブルが崩壊すれば、景気が急減速しかねないといった懸念が渦巻く。さらに、世界経済の不安要素としてIMF(国際通貨基金)やOECD、BIS(国際決済銀行)などが相次ぎ警鐘を鳴らしているやテクノロジーなどを含む幅広い分野で「世界覇権」を争う〝戦国時代〟に入っている。問題の根は深く、米中の経済摩擦が容易に解決する局面でないのは確かだ。米中経済の減速懸念膨張する企業債務消費増税の逆風二つ目のリスクは、米国経済の減速。GDP世界一の米経済はこの数年、「独り勝ち」とも称されるほど好調な足どりで世界経済のけん引役となってきた。景気回復局面は今年7月で10年となり、戦後最長を記録するほどだ。足元でも歴史的な低失業率をはじめ良好な経済指標が目立つものの、循環的な景気サイクルの終局が訪れつつあるとの見方は絶えない。しかも昨年は「トランプ減わば相場に激震を与えかねない「5大リスク」が横たわる状況にあるのだ(29ヘ?ーシ?図参照)。まずはあらためて、状況が刻々と変化している冒頭の米中貿易戦争について、実体経済への影響の度合いを見てみよう。OECD(経済協力開発機構)の試算によれば、米中が互いに全輸入品に制裁関税をかけ市場不安が広がるなど最悪のケースで、世界のGDP(国内総生産)は0・8%程度も押し下げられてしまう。世界経済はリーマンショック以降、緩やかな回復基調を続けてきたが、2019年の成長見通し(3・3%)は08年(3%)以来の低水準に減速すると見込まれているさなかであり、大きな不安要因となっているのは間違いない。しかも長い目で見れば、米国と中国は経済のみならず、安全保障新華社/アフロ米中の制裁関税の応酬を嫌気して、米国株式市場は5月13日に今年2番目の大きな下げを記録した週刊ダイヤモンド2019/05/25 28Colin Anderson Productions pty ltd/gettyimages下値には買い出動の好機低金利と経済成長が両立する「適温相場」は、米中貿易戦争の再燃で一変した。他にも相場の上値を抑えるリスク要因は少なくないが、冷静に見極めれば投資の好機ともなり得る。日本株市場に迫る「5大リスク」1Part世