ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年6月8日号

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週刊ダイヤモンド19年6月8日号

460 480 500 520 540 560 580 600 620生物科学施政学歴史化学コンピューターサイエンス経済哲学工学数学物理統計学教育マーケティング農学マネジメント113456789104647484950123456789102728293031数学哲学国際関係経済マーケティング物理政治化学ジャーナリズム建築教育インテリアデザイン栄養学看護学医師アシスタント103.5103.597.896.895.193.491.787.687.484.649.047.438.623.623.492,40081,20080,90098,60079,60097,30078,20079,90066,70076,80052,00053,20055,30067,00091,700順位学位新卒時からミドルキャリアまでの年収中央値の伸び率(%)ミドルキャリアの年収中央値(ドル)*「Profile of GMAT Candidates,2007-2012」(philosophy@uno.edu.)を基に本編集部作成*「Salary Increase By Major」(The Wall Street Journal、2014年12月17日)を基に本編集部作成ビジネススクール入学適性試験GMATの専攻別平均スコアMBA志望者で文系〝最強?米国の学位別新卒時からミドルキャリアまでの年収伸び率と中央値給与の〝伸び?は数学と並びトップスに必要なのかPrologue日本人が知らない哲学の力学」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。おそらく、「役に立たない」「小難しい」「堅苦しい」といったあたりのはず。少なくとも哲学が「稼ぐ」という俗世間から最も縁遠いイメージを持つ学問であることは間違いない。しかし、それは誤りである。フランスの哲学者、デカルトの有名な言葉をもじれば、「われ思う、故にわれ〝稼ぐ〟」をもたらすのだ。「大哲学者になる夢を持っていた」と世界三大投資家の一人、ジョージ・ソロスが著書で明かしたように、彼は科学哲学の大家、故カール・ポパーに師事し、哲学博士号を取得した。若き日のソロスは、トレーダーの仕事は生活のためで、自由時間を哲学研究に充てた。その中で考案した数々の哲学概念が、彼を世界的富豪にする原動力になったことは有名な話だ。同じく米国の伝説的な投資家、ビル・ミラーは昨年、母校の一つの米ジョンズ・ホプキンズ大学哲学科に、日本円で80億円を超える金を寄付した。その理由は、自身に成功をもたらした「哲学で培われた分析力と心の在り方」への恩返しだ。投資家だけではなく、米シリコンバレーの有名起業家にも哲学出身者は想像以上に多い。代表格はペイパルの創業者、ピーター・ティールだろう。彼は著名な哲学者、故ルネ・ジラールに師事し、哲学の学位を取得した。伝記によれば、ジラールの理論の中核である「模倣理論と競争」が、ティールの「逆張り戦略」に大きな影響を与えたとされる。ティールの学生時代からの盟友にも、哲学で結び付いた2人の経営者がいる。リンクトイン創業者のリード・ホフマンと、ティールが共同創設した評価額4兆円超ともされるユニコーン企業、パランティア・テクノロジーズのCEO、アレックス・カープだ。ソロスと同じく哲学教授になるのが夢だったホフマンは、英オックスフォード大学で哲学修士を、また、カープはドイツを代表する哲学者、ハーバーマスの下で博士号を取得した。カープの場合、専門外の複雑な問題でもその本質を突き、かみ砕いて議論できる能力が買われたといわれている。さらにスラック創業者のスチュワート・バターフィールドや、米大統領候補指名争いでトランプと舌戦を繰り広げた、ヒューレット・パッカード元CEOのカーリー「哲週刊ダイヤモンド2019/06/0824