ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年8月3日号

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週刊ダイヤモンド19年8月3日号

週刊ダイヤモンド2019/08/03 26葉県で建設会社を営んできた杉田正己は、50代にして患い「死」を覚悟することになった。社長として率いる杉田建設興業は売上高15億円、従業員60人。自分が亡き後も、事業を、社員を、守りたかった。日本大学理工学部建築科の同級生だった岡部一郎に、後継者がいない悩みを吐露した。彼に後を頼みたかった。中堅ゼネコンである飛島建設の幹部だった岡部は、相談の内容を社内に持ち込んでみた。2017年夏、飛島は杉田建設を買収した。情にほだされたわけではない。杉田建設は、東京・小笠原諸島で創業しており、島で建設事業を手掛けていた。国は離島振興を打ち出しており、飛島は商機を見いだしたのだ。この地は空港の計画が持ち上がったりしている。杉田建設社長となった岡部は、今は亡き友人の遺志を引き継いだ。飛島は1990年代後半から2000年代前半に金融支援を受けた当時、メインバンク主導下での再編候補になっていた。そこから業績回復を果たし、今度は仕掛ける側に回った。17年以降、事業を補完する別の会社も買収し、M&A(企業の合併・買収)も手段の一つにして成長戦略を描いている。徳倉建設(愛知)九州建設(福岡)コムシスHD(東京)カンドー(東京)コニシ(大阪)角丸建設(静岡)飛島建設(東京)杉田建設興業(千葉)角文(愛知)丸山組(愛知)パナソニック(大阪)松村組(大阪)サンユー建設(東京)行方建設(東京)協和エクシオ(東京)シーキューブ(愛知)アクティオHD(東京)三信建設工業(東京)大盛工業(東京)井口建設(山梨)戸田建設(東京)佐藤工業(福島)森山(清)組(鹿児島)吉留建設(鹿児島)京成電鉄(千葉)式田建設工業(千葉)愛知大手ゼネコンが九州の名門ゼネコンを13億円で買収ガス・水道工事会社を160億円で買収。通信工事系も再編で複数社を買収化学メーカーが土木建設の強化を狙い、47億円で買収後継者難を伴う買収。他にインフラ施設向け事業を行うノダックなど複数社を買収両社とも地元の商工会議所副会頭企業だった買収額100億円弱か。松村組は売上高350億円超大手下請け中心の型枠大工工事会社を4億円で買収買収額229億円。通信工事大手による再編で複数社を買収買収額65億円。建設レンタル会社がレンタル先をTOB買収額3億円。井口建設以外にも近年、複数社を買収売上高100億円超の福島名門ゼネコンを買収県内土木建築請負同士による統合官公庁舎、民間事務所などの建設工事請負会社を買収買被買被買被買被買被買被買被買被買被買被買被買被買被建設産業の売上高営業利益率の推移建設業非製造業全産業製造業1.002.03.04.04.53.52.51.50.55.0(%)1998 2000 02 04 06 08 10 12 14 16(年度)復興需要、国土強靱化五輪バブル、都心再開発出所:財務省「法人企業統計」20001998 02 04 06 08 10 12 14 16 18(年)*レコフ調べ建設業界のM&A件数の推移*HDはホールディングスの略。◯買=買収側企業、◯被=被買収側企業。レコフ調べのデータを基にダイヤモンド編集部作成(件)140120100806040200今は絶頂期2017年以降の買収事例異業種による買収もリーマンショック建設不況がしている!身売り多発銀行主導自ら決断千