ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年9月21日号

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週刊ダイヤモンド19年9月21日号

産業省への影響力に期待したのではないだろうか。 過密なスケジュールを調整し、多忙を極める3人が顔を合わせた。面談に参加したのは、御手洗会長とイ・ジェヨン副会長、そして、韓国ロッテグループ総帥の辛シン東ドン彬ビン(重光昭夫。64歳)会長の3人である。キヤノンは、サムスンには半導体製造装置や(子会社を通じて)有機EL製造装置を納入しており、ロッテには韓国での事務機の販売代理店業務を任せていることから、ビジネス上の付き合いがあるのだ。 ちなみに、重光会長も贈賄罪に問われ執行猶予付き判決を受けており、イ・ジェヨン副会長とは〝執行猶予仲間〟である。 面談では、親しい間柄に気を許したのか、イ・ジェヨン副会長の本音が漏れる一幕もあったという。「韓国にいてもろくなことがない。文政権はあの感じだし、韓国のマスコミもろくなことを書かないし、日本にいた方がよほどマシだ──」と嘆き節だったようだ。御手洗会長を直撃!極秘会談で話し合われたこと 逆風にさらされている御曹司に、かのような制裁措置には、韓国の産業界を震撼させるに十分な破壊力があった。日本政府の方針転換一つで、いつ何時サムスンの部材調達網が崩壊するかもしれないのだから、当然である。日韓の政治的対立は、韓国の産業界に猜疑心と恐怖心を植え付けることになってしまった。 韓国では文政権とメディアから総スカンを食らい、日本からは痛恨の一撃を加えられ、イ・ジェヨン副会長は孤立を深めている。 この難局をどうやって乗り切るのか──。だが、強力なリーダーシップとカリスマ性でグループをけん引した父、李イ 健ゴ ン煕ヒ ・サムスン電子会長は、長らく病床にあるため、判断を仰ぐことはできない。 そこで孤独な御曹司が頼りにしたのが、全幅の信頼を寄せる「日本の父」だった。孤立を深める御曹司がすがった大物経営者 その人物こそ、 〝財界総理〟たる日本経団連会長を務めた御手洗冨士夫・キヤノン会長(83歳)である。おそらくイ・ジェヨン副会長は、政財界に広くネットワークを持つ御手洗会長の、官邸や経済27 週刊ダイヤモンド 2019/09/21Bloomberg/gettyimages、JIJIキヤノン会長御手洗冨士夫