ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年10月5日号

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週刊ダイヤモンド19年10月5日号

用〟も少なくない。新しい地銀に生まれ変われば、地元で親しまれている銀行名まで変わってしまいかねない。その上、経営統合した先に待つのは、「旧行同士の主導権争い」(地銀関係者)というあつれきだ。ましてや、のみ込まれる側は、新しい銀行の人事面でも不遇をかこつことになる。 冒頭の幹部は、このまま指をくわえていたら収益の悪化が進み、近隣の地銀との再編劇に巻き込まれるとの懸念があった。それ故に、あえて遠方の有力地銀の傘下に入るという策を講じたわけだ。 もしかしたら、〝おんぶに抱っこ〟と後ろ指をさされるかもしれない。それでも、子会社として配当金を上納する代わりに、有力地銀が持つ金融商品の販売ノウハウやデジタル技術に関する知見といった、何物にも代え難い果実を得ることができる。 その上、遠方の地銀同士の経営統合ならば、わざわざ銀行名を変 うしたら、地域に自分たちの銀行の「看板」を残すことができるのか。今から数年前のこと。ある地方銀行の幹部は、自らの銀行の業績悪化を目の当たりにし、ありとあらゆる生き残り策を思い巡らせた。 熟慮の末に、一つの策を思い付いた幹部は、遠方にある別の有力地銀に赴いた。そこで持ち掛けたのは、表向きは単なる業務提携。だが、それだけではない。業務提携の先の、相手からの出資を受け入れる資本提携が真の狙いだった。早い話が、他行の傘下に入るというかたちでの経営統合である。 本来、統合・合併の最大の効果は、コストシナジーだ。本部人員の整理などに着手することができ、収益力の改善が見込める。近年、長崎県や新潟県、そして三重県において、次々と同一県内の地銀が合併を決断したのは、こうした理由があるからだ。 しかし、この県内合併は〝副作有力な地方銀行との経営統合や、店舗の統廃合、そして証券子会社の解散。金融庁の監視が厳格化する中、業績悪化から抜け出せない地銀が、厳しい決断を余儀なくされつつある。縮小路線を敷く地銀の苦境有力行の傘下入りに店舗統廃合ど週刊ダイヤモンド 2019/10/05 30地方の人口減少や本業不振の深刻化。「断末魔」という言葉が最も似合うといえるのが、地方銀行だ。独自試算の"余命"ランキングや、就活人気企業ランキングを基に、地銀の衰退ぶりを浮き彫りにした。tobiasjo/gettyimages全国地銀105行「余命」ランキング風前のともしび