ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年10月19日号

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週刊ダイヤモンド19年10月19日号

週刊ダイヤモンド 2019/10/19 24多くの患者でSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の二つが第二選択薬として優先されることになった。二つの薬は心臓病を予防したり、腎臓を保護したりする効果がある。その上、低血糖を起こさず、体重を減らす効果も見られた。肥満の患者が多い欧米では妥当といえるものなのだろう。 山田医師はこれまで、太っている患者にはメトホルミン、痩せている患者にはDPP-4阻害薬を第一選択薬としていた。太っているとインスリンの働きが低下するという考え方があるが、メトホルミンはインスリン抵抗性を改善する。また痩せた患者はインスリン分泌が不足しているが、DPP-4阻害薬はその分泌を促す。こうした理由があったからだ。 糖尿病治療の目的は、単に血糖値を下げるだけではなく、心臓病や腎臓病などを含めた合併症を予防し、死亡率を低減することにある。山田医師は患者が太っていても痩せていてもメトホルミンを第一選択薬にした。この薬は昔から心臓病の予防効果を示しており、 質制限の第一人者としても有名な糖尿病医、北里大学北里研究所病院の糖尿病センター長である山田悟医師は最近、糖尿病患者に処方する薬の優先順位を変えた。 医者にとっては学会が作成したガイドラインが教科書のようなものだ。日本の糖尿病医であれば、日本糖尿病学会のガイドラインに記された薬物療法が基本となる。そこには最も優先される第一選択薬、次に優先される第二選択薬などの使い分けは明記されてこなかった。患者の病態に応じて医者がさまざまな薬を使い分けるよう促している。 対して、欧米の学会は具体的に優先順位を付けている。第一選択薬はメトホルミンという古くからある薬。第二選択薬に関しては主立った種類のどれを使ってもよかったが、最近になって大きな変化が起きた。第二選択薬に新たな序列ができたのだ。 心血管疾患を経験した患者や慢性腎臓病を合併した患者、また体重を減らす必要のある患者など、糖尿病薬に新たな序列SGLT2薬とGLP-1薬が格上げBlackJack3D/gettyimages処方薬の王道を具体的に知っておけば、自分に合う薬にたどり着くための道標になる。糖尿病、高血圧、脂質異常症の薬における「処方金額」「処方患者数」ランキングから薬の動向を明らかにする。1Part 「薬」ランキング糖 尿 病高 血 圧脂質異常糖