ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年10月19日号

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週刊ダイヤモンド19年10月19日号

25 週刊ダイヤモンド 2019/10/19特集選ばれるクスリ・医者・病院 データを持つ企業の一つ、医療情報サービスを手掛けるメディカル・データ・ビジョンは患者にデータを役立ててもらいたいと考えた。そこでこの特集で、薬の処方患者数および処方金額のデータを初めて大々的に一般公開した。新しい糖尿病薬はDPP-4阻害薬がよく使われている 国内の急性期病院230施設における特定の病気での薬の2018年度処方金額をランキングすると、糖尿病治療での新しい薬の処方傾向がつかめる。 日本は公的医療保険で薬剤費がカバーされており、公的保険が適用された薬には公的価格(薬価)が付けられる。新規の薬には高い値が付けられ、薬価改定によってだんだんと下がっていく仕組みになっている。このため新しい薬は処方金額が大きくなりがちで、処方金額ランキングで上位に入りやすい。 このランキングから、比較的新しい糖尿病薬であるDPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬のうち、DPP-4阻害薬がよく使われていることが分かる(上表参照)。中でも選択薬を指定せず、病態に応じた薬剤選択を推奨している」(ガイドラインより抜粋)という内容にとどまった。 このように、国内で糖尿病薬は医者それぞれの判断で処方されている状況だ。では、全国で総じて選ばれているものは何なのか。この点が気になってくる。 糖尿病だけの話ではない。それぞれの病気でどのような薬が処方されているのか、薬ごとの処方された患者数や処方金額などは一般には知られていない。そうしたデータを入手している企業はごく限られ、データは一部の企業やアカデミアなどへ提供されるにとどまっているからだ。トップ糖尿病薬としての地位を確立している。 第二選択薬も変えた。これまでは太っている患者にはDPP-4阻害薬、痩せている患者にはインスリン分泌を促進するスルホニル尿素薬を少量使ってきた。それを太っている患者には欧米と同様にSGLT2阻害薬にした。痩せている患者には今のところDPP-4阻害薬を使っている。 日本糖尿病学会はこの9月末に「糖尿病診療ガイドライン2019」を公表した。欧米の動向を受けて日本でも薬に優先順位が付くとの観測や要望もあったが、「2型糖尿病の病態やライフスタイルが(欧米と)異なる日本では、第一体形にかかわらず日本人の血糖値を改善する効果があるとする論文も報告されているからだ。世界で10/19号P025 図版サイズ W:75.25×H:189.25イラストレーターCS5*2018年4月~19年3月。国内の急性期病院230施設において、糖尿病用剤(ATCコード: A10)を処方された糖尿病( I CD10コード: E11「2型〈インスリン非依存性〉糖尿病〈N I DDM〉」、E12「栄養障害に関連する糖尿病」、E13「その他の明示された糖尿病」、E14「詳細不明の糖尿病」)患者が対象。18年度の対象患者数は382,916人。14年度金額順位の「圏外」は11位以下。主な製品の社名は製造販売会社。メディカル・データ・ビジョンのデータを基にダイヤモンド編集部作成処方金額トップ10糖尿病薬 上位にDPP-4阻害薬シタグリプチン2014年度2018年度一般名主な製品名(製造・販売会社名)金額順位1 1 ジャヌビア(MSD)、グラクティブ(小野薬品工業)DPP-4阻害薬分類リナグリプチン2 4 トラゼンタ(日本ベーリンガーインゲルハイム)DPP-4阻害薬デュラグルチド3 - トルリシティ(日本イーライリリー、大日本住友製薬)テネリグリプチン 4 圏外圏外テネリア(田辺三菱製薬、第一三共)DPP-4阻害薬5 リラグルチドビクトーザ(ノボノルディスク ファーマ)GLP-1受容体作動薬GLP-1受容体作動薬6 2 ビルダグリプチンエクア(ノバルティス ファーマ)DPP-4阻害薬インスリンアスパルト7 3 ノボラピッド(ノボノルディスク ファーマ)メトホルミン8 10 グリコラン(日本新薬)、メトグルコ(大日本住友製薬)ビグアナイド薬エンパグリフロジン9 - ジャディアンス(日本ベーリンガーインゲルハイム)SGLT2阻害薬10 -エクメット(ノバルティス ファーマ)金額(万円)273,290175,339132,708120,341103,27596,15091,32988,50987,17269,086超速効型インスリン製剤ビルダグリプチン・メトホルミン(配合剤)DPP-4阻害薬/ビグアナイド薬FotografiaBasica/gettyimages生活習慣病薬は飲み薬が中心。インスリン製剤など一部は注射薬