ブックタイトル週刊ダイヤモンド20年1月18日号

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週刊ダイヤモンド20年1月18日号

週刊ダイヤモンド 2020/01/18 26Special Feature 齢化が急速に進む日本において数少ない〝成長産業〟と目されているのが、葬儀業界だ。厚生労働省の推計によると、2019年の死亡者数は137万人で戦後最多。この数は増加の一途をたどり、40年には年間約168万人が死亡すると予測されている。 となれば葬儀ニーズもうなぎ上りで、さぞ業界が沸いているに違いないと思うが、そうではない。「葬儀会社の淘汰は一層激しくなる」と、ある葬儀業界関係者は嘆ネットの下請け化と低価格化のあおりを食う既存葬儀社 ネット系葬儀社に限らず多くの異業種の新規参入が相次いだことで、業界では競争が激化。その結果、葬儀単価の低下が進んだ(28㌻上表参照)。 もちろん、価格が下がるということは、消費者の利益につながる。だが、その中で苦戦を強いられているのが既存の葬儀業者だ。とりわけ零細な葬儀業者は苦境に立たされている。 そもそも、ネット系葬儀社の基本的なビジネスモデルは、消費者からの受注を提携する葬儀業者へと仲介する際にマージンを得るというものだ。「葬儀社」とはいいながら、自社で葬儀そのものを実施会社のアンチテーゼとして、新興企業が市場や消費者の間で存在感を示している。 なぜネット系葬儀社が話題と人気を集めているのか。 その理由は、明瞭な価格体系と価格の安さにある。 もともと葬儀に対しては、料金が不明瞭という世間のイメージが根強かった。人生でそう何度も支払うものではないし、祭壇一つとってもその質と価格の相場観は素人には分かりづらいもの。いわば〝ブラックボックス〟だ。 そこに、必要な葬儀サービスをひとまとめにした「明朗で安い」パッケージプランを引っ提げて登場したのが、ネット系葬儀社だ。「小さなお葬式」は累計葬儀件数が15万件を超えるなど、葬儀に対する消費者ニーズの変化も相まって、急成長を遂げてきた。息する。いま葬儀業界は激動期にある。 その台風の目は、インターネット系葬儀社に代表される異業種だ。 09年、小売り大手のイオンが「イオンのお葬式」で参入したのを筆頭に、「小さなお葬式」を手掛けるユニクエスト、「よりそうのお葬式」を展開するよりそうといった、ITなどを武器にした新興企業が続々と葬儀サービスを立ち上げてきた。18年にはDMM・comが終活ねっとを買収して葬儀業界に参入するなど、旧来型の葬儀単価下落で苦戦の葬儀業者ネット系の台頭で業界激変近年、葬儀業界で存在感を示すネット系葬儀社。安価、明朗会計を武器に、業界の勢力図を塗り替えつつある。ネット系や葬儀の簡略化が招いた単価の低下に、既存業者はあえぐ。葬儀多様化するP a r t 1PIXTA葬儀編高