ブックタイトル週刊ダイヤモンド20年1月25日号

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週刊ダイヤモンド20年1月25日号

特集 パナソニック 名門電機の凋落は中国でしっかりとした成功モデルを構築して、かつ中国で開発体制にかかるコストも含めた固定費を回していける前提がないと、現実的ではありませんが。 ただし、長期的に考えれば、それ(ヘッドクオーターの中国への移管)は一つの考え方なんですね。コスト一つ取っても、中国起点で削減していくというのが一番分かりやすいですし、(中国メーカーの標準部品の活用などにより)まさに研究している最中でもありますし。これから中国にはもっと注力して、将来的には、日本向けの家電製品にも使えるような部材をもっと調達していきたいと考えていますから。──CNA社に関しては、設立時に家電事業のヘッドクオーターを中国に持っていこうとして、白物家電の〝本拠地〟である滋賀・草津の従業員から猛烈な反対に遭ったと聞いています。 仮説として、どれだけヘッドクオーターを中国へ持っていけるのか検討してもらったといういきさつがあります。ま、反対というよりも、「やったら破綻しますよ」と言われたんですよね。中国を中心にやり過ぎると、日本の消費者に納得してもらえる商品をちゃんと出せなくなると。単に工場を中国に建設して、中国で生産した商品をそのまま日本に持って帰ってくるというのとは違うので。 今のところ日本向けの商品と中国向けの商品では、開発の考え方を少し変えています。ただし、中国向けでいいものができれば、それをアジア向けやインド向けに展開するという考え方もありますし、その先には日本向けとしても展開できるだろうと。こうした思惑もあります。──中国での新モデルは、販売のみならず、開発も日本に依存した家電事業の構造を変える目的があるのですね。そもそも、近年、家電事業の収益が停滞している原因をどう考えていますか。 家電が厳しいのは、つまりテレビが厳しいということです。事業部は厳しいと分かっているんです。分かっているのに、まだテレビを売ろうとしているから駄目なんです。だから、そこ(テレビ事業)だけは許さないです。許さない……。前から、そんなことでは駄目だと言っていたわけやし。──なぜ事業部では、駄目なことがまかり通ってしまったのですか。 それは誰かが甘いことを言うたからでしょうな。収益性もあったように見えていたのですが、結局、売上高ばかり追って、販売会社の利益を薄めて十分に稼げていなかった。だから、テレビの戦略が間違っていたんでしょう。──津賀さんの言い方が人ごとのように聞こえるのですが、それは無責任なのではないでしょうか。 いやいや、そんなことないんです。事業計画の割り当てはカンパニー長の責任範囲ですから。全てのカンパニーの全ての事業部の責任を負うことなんてできません。──津賀さんは7年前に「営業利益率5%」という事業の生存ルールを作って、事業部の評価基準を明確にしています。ただし、それに則って事業を運営してきたのなら、足元の業績見通し(20年3月期の連結営業利益率3・9%)はもうちょっと良くなっていてもいいのでは。 途中で5%を超える事業部が増えたのは事実なんですね。でも、私は「モグラ叩き」と言っているんですが、今まで良いと思っていたところが傷んできたり、黒字になるといわれていた事業が思ったように黒字にならなかったりということがあるんですね。それで突然、モグラが出てくるように問題事業として表面化してくる。それ2010年3月期12年3月期14年3月期16年3月期18年3月期20年3月期(見通し)▲8,000▲6,000▲4,000▲2,00002,0004,00001234563.9%(億円) (%)当期純損益(左目盛)営業利益率(右目盛)プラズマディスプレー事業から撤退ヘルスケア事業から撤退トヨタと車載用角形電池で合弁液晶、半導体事業から撤退執行役員数を大幅削減トヨタと住宅事業を統合津賀社長が就任米テスラと電池供給契約を締結パナ電工、三洋電機を完全子会社化出所:○○○○○○2020-01/25号 業績の推移と主な出来事巨額赤字後も浮上せず29 週刊ダイヤモンド 2020/01/25「家電部門・本社の中国移転は選択肢」