ブックタイトルシックス 2017 WINTER

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概要

シックス 2017 WINTER

や、パーテーションとして使っている古い日本家屋の引き戸。「梯子はネットオークション、引き戸は金沢の古民家を解体する時に知り合いが譲ってもらったものです。どちらも日本の職人さんならではの細かい作業に魅了されて、欲しくなりました」 この家を作る際に、ヴィンテージ感を大切にしたいと思ったという山中さん。家具は英国アーコール社の60年代のアイテムとイタリア製を中心に揃え、使い込まれたものの良さを出したくて、無垢の板にオイルステンやハニーワックスをかけるなど、あえて古く見せる工夫も。それらと梯子や引き戸り?が始まった。大家さんが屋根と床の修理と壁の張り替え、トイレの新設をした状態で引き継ぎ、あとはほとんど一人の作業。床のタイルを剥がして出てきたコンクリートにペンキを塗り、キッチンのシンクや棚を取り付けた。古民家の部材などでセンスよく仕上がった「お向かいのブティックの内装工事をしている職人さんに声をかけて、何もないところに柱を打つになど和の職人芸が見事に融合し、独自のこだわりを見せながら、訪れる人も居心地の良さを感じる空間を作り出している。 なお、完成した後も山中さんの家作りは終わらない。数年後に白い壁の汚れが気になってくると、羽目板と巾木を打ち付けて新たに腰壁を作ったり、階段にはカラフルな軽量レンガを張るなど、補修やアレンジにも精を出している。一つひとつ吟味された愛すべきものたちと愛犬サブちゃんが出迎えてくれるカフェは、今日もお客さんが絶えることがない。棚を設置し、天板にタイルを貼り、すべて一人で作り上げたカフェで、人気メニューは自慢のガレット・コンプレ歴代の愛犬の写真や絵が並ぶ“仏壇的”スペース(現在のサブちゃんは3代目の家族)小さな路地の奥にある一軒家型カフェ。路地に足を踏み入れると、看板犬のサブちゃんがドアの向こうから覗いてお出迎えはどうしたらいいか質問したり、ネットで調べたりしながら、毎日午後2時から夜の9時くらいまで。マイペースで作業を続けて、約3カ月で完成しました」 高校生の頃から家にある家具に自分で手を加えるのが好きだったという山中さん。手作り感覚とはいえ、素材選びやインテリアに持ち前のセンスの良さが光っている。中でもご自慢は、二階の梁を活かして設置した長さ約4メートルの木の梯子L IVING053