ブックタイトルシックス 2017 WINTER
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シックス 2017 WINTER
083 けれども、毎回、食事の内容に気を配るのもストレスになってしまう。胃をいたわるためにできる食習慣はないものか。 最近の研究では、乳酸菌でこの機能性ディスペプシアの症状が緩和したという報告がある。LG21乳酸菌入りヨーグルトを続けて摂取したグループでの、食後もたれ感や少しの量でもすぐにおなかがいっぱいになるなどの症状が改善した人が、ほかのプラセボのヨーグルトを摂取したグループと比べて約40%高かったのだ。プラセボヨーグルトでも、ほとんどの人が少し良くなった、良くなったという傾向だったが、LG21乳酸菌入りヨーグルトのほうがより良くなった、非常に良くなったという人が多かった(グラフ1)。「もともとLG21乳酸菌は、複数の研究により胃潰瘍などの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を抑制する働きや、様々な機能が明らかになっている乳酸菌ですが、今回の研究では、ピロリ菌に感染したことがない人を対象に実施され、機能性ディスペプシアの症状の中でも特に食後の不快な症状が良くなったということは、LG21乳酸菌が胃の運動機能の改善に働くとも考えられます」 さらに、摂取期間が長いほど症状が良くなっている。4週間、8週間と続け、12週間後にはLG21乳酸菌ヨーグルトグループの除去率は35・2%と、プラセボの17・3%の約2倍という結果になっている(グラフ2)。「LG21乳酸菌の最大の特徴は酸に強く、生きて胃の粘膜に長時間留まることです。継続することで胃の中で活発に活動して不快感を緩和してくれるのでしょう」 胃の調子が良くなると、毎日がより活動的に過ごせるようになったという患者さんの声も聞かれるという。 忙しいビジネスマンでも1 日1個のヨーグルトは、ハードルが高くなく続けられる。ヨーグルトは薬ではないので副作用もない身近な食品。食習慣に加えてみるのも一案だろう。LG21乳酸菌が胃の健康をサポートHEALTHLIFESTYLE HABIT東海大学医学部内科学系総合内科学 教授 1986 年京都大学大学院医学研究科修了。2002 年より現職。内科学系長、副医学部長も歴任。専門はヘリコバクター・ピロリ菌感染症、消化器疾患の治療。日本消化器学会の消化性潰瘍診療ガイドライン委員会委員、日本ヘリコバクター学会委員ほか。髙木 敦司DOCTORASTUSHI TAKAGILG21乳酸菌入りヨーグルトの摂取でFDの症状が改善ヘリコバクター・ピロリに感染しておらず、治療を受けていない20~64歳のFD 患者106 人を無作為に2 グループに分け、一方にはLG21 乳酸菌(85g)入りヨーグルトを、もう一方にはLG21 乳酸菌なし(プラセボ)のヨーグルトを1 日1 回(85g)、12 週間食べてもらい胃の症状に対する全般的な効果の印象についてアンケート調査を行なった。LG21 乳酸菌入りヨーグルトのほうが非常に良くなった人がより多かった。摂取後4週間、8週間、12 週間後を見ると、摂取期間が長いほど症状がなくなる除去率が高まり、12 週後にはLG21 乳酸菌ヨーグルト群の除去率は35.2と、プラセボ群17.3%の約2倍に。(出典:Digestion 2017;96:92-102)DATA除去率(%)[ グラフ2]20 504010601580201002530摂取12週間1非常に悪くなった2悪くなった3少し悪くなった4変わらない5少し良くなった6よくなった7非常によくなった摂取8週間摂取4週間摂取前p=0.048※プラセボヨーグルト(n=52)LG21乳酸菌入りヨーグルト(n=54)適合者の人数[ グラフ1]